5月1日(快晴

・昨日から美しい五月晴れが続く。引き続き、村上春樹「ねじまき鳥クロニクル」読書中。

・仕事の関係で小生のメールに転送されてきたEメール。いわゆるURL形式で、2バイト文字が%83%56てな具合になってる。同僚E氏の教示により、ClipDecorder というフリーソフトを、Windows版はVectorで、Mac版は作者田中求之氏のホームページからダウンロード。普段、フォームによるメール受信をしていないが、小生のプロバイダではサーバー上のcgiを使うようになっている。転送したサーバーの設定がおかしいのだろう、きっと。ま、しかし、こうしていちいち変換して読むというのも、上品な新茶を丁寧にいれてほのぼのと味わうような味わいがありますなア。

・駅前本屋にて、ロングマンActive Study 英英辞典(桐原書店)2100円。各種英英辞典のなかで一番安かったので・・・。それから、石神井公園きさらぎ文庫にて、村上春樹「カンガルー日和」(平凡社)200円。美本。草思堂にて、村上春樹「ねじまき鳥クロニクル」全3冊(新潮社)1400円。つまり第1部・第2部は2冊ずつ買ったことになる。しかたがない。安いから。きさらぎ文庫に、大量の入庫あり、本屋の空間の半分ほどを占めていた。草野心平全集や永井龍男の浩瀚なコレクションなど、どれも保管状態のよい美本ばかり。まだ値札がついていない。石原八束の三好達治伝など手にしたい本もあったが、山積みの本の中腹ではしかたがない。ここ「きさらぎ文庫」と草思堂と、日本近代詩の専門店「石神井書林」の3店をもって石神井公園の古書店三羽烏という。もっとも「石神井書林」は滅多に店を開けていない。(目録売り中心だろう。) 私も5年くらい前に一回入ったきりである。

5月3日(曇り

 昨日は妻と子と母と一緒に石神井川沿いの散歩。散らぬ八重桜もひなびた風情があって妙に愛らしい。(高野台駅南口を出てすぐ左の川沿いの遊歩道。静謐で鄙びていてほんとに穴場だと感じた。)

 今日は、経堂に住む弟一家のところまで母と一緒にタクシーで向かう。環状8号渋滞で40分くらいかかった。甥っ子さんを交えてしばし歓談す。記念撮影。帰り、経堂駅商店街「遠藤書店」にて、阿部昭「無縁の生活・人生の一日」(講談社文芸文庫)450円。記念に求めた。並びの古書店も岩波文庫が充実していた。

 帰宅したら、USAから Aphrodite's Child "The Greatest Hits"が届いていた。届くの速いね。昔持っていたけど故あって売却したので約20年ぶりの再会ということになる。久闊を叙すのであった。Rain & Tears, End of the World,他名曲続々。昔々、生きることが不安で不安でたまらなかったつらい日々の情念が幾分か甦ったのだった。その昔、渋谷で観た「新・青い体験」という映画。Koo Starkという女優が清楚で気に入って、2回観たのだが、その映画のバックで流れていたのが、Vocal のDemis Roussos が歌う" Forever & for ever "(?)だった。

● Aphrodite's Child 関連サイト ● 

http://www.engelen.demon.nl/aphrod.htm  主要な曲の歌詞が掲載されてる。 nl ってどこ? 

http://home.worldnet.fr/antas/vwr.htm   Vangelis のホームページ。かなり大きなサイト? 未詳。

・なぜか電子メールの飛び交った日だった。弟夫婦と記念写真のやりとり。ねこ救済グループの篤志の方からも丁重なお手紙を頂いて感激。そして兄夫婦からは何度かテスト送信メールが届いた。

5月4日(

 「ねじまき鳥クロニクル」をぼちぼち読み続けている。村上春樹自身のホームページ「村上朝日堂」の存在を今晩初めて知った。作家の運営するホームページとしてはかなり本格的ではなかろうか。マスメディアという媒体を通じてではなく、直接読者と作家が交流するということの意義。また、読者による村上春樹関連のサイトのひとつが、「ねじまき鳥フォーラム」。本格的な批評も発表されている。私は、目下のところ、批評するどころではない。「風の歌を聴け」以来、時折何かのきっかけで熱読するのだが・・・・。

 一日雨で鬱々と愉しまない。一家で近所を傘をさして散歩。石神井川の鯉にみとれ、長光寺橋公園の鳩にエサを与えた。

5月5日(

 連休最後の日は、雨があがり一転行楽日和となった。朝方は風が強かったが、午後からはやや穏やかに。近所のOB、Aさん(Aizawaさん)と会う。いつも朗らかで優しい子だ。光が丘公園にて親子でサイクリング。帰宅して後再び、石神井公園にてお買い物。富士街道と西武池袋線の交差する踏切脇に開店したBOOK PORTにて「正しいWebページ画像の作り方」(Japan Mix)1300円。他に、光が丘文教堂にてレオ・バスカーリア「葉っぱのフレディ」(童話屋)1500円。

 明日からはまた忙しい日々が続く・・・。がんばってひとつひとつ片づけていこう。

5月7日(

 水上勉氏の喜寿を過ぎたパソコン格闘記、哲学書房より出版されるとか。(日経の5月2日読書欄の話題から) 原発などの科学技術の類推でコンピュータのもたらす人間疎外を危惧して敬遠してきたが、やむを得ず使い始めたパソコンがもたらしてくれた新たな創造性・可能性に耽溺する毎日だと。さもありなん。「五番街夕霧楼」「越前竹人形」を昭和50年頃読んだときのひめやかな感動、師匠宇野浩二との交渉、「宇野浩二伝」(中公文庫)、俳優加藤嘉が昭和50年頃のメロドラマで演じていた「夕霧楼」の舟守、などをめぐるましく想い出す。亡くなった親父が小学生の私に語ってくれた「飢餓峡」(内田吐夢監督のバージョン?それともテレビドラマ版?)のことまで想い出してしまう。はたまた「一休」「良寛」の評伝。実はこの作家は、私には、とっても縁が深い・・・。

5月8日(曇り

 会社に行きがけに上石神井の硯文堂にて「嵐が丘」(河出書房)店頭均一本100円。美本。あの懐かしのグリーン版が20冊ほど箱に入っていたので買い求めた次第。僕は「嵐が丘」をこのグリーン版三宅幾三郎訳で高校2年の時、図書館で借りて、疾風怒濤のごとく読んだ想い出がある。その後、岩波文庫版で買い求め、2回ほど再読しようとしたことがあるのだが、途中で止めていた。つまりいわくつきの「初めてのおんな」なのである。この「嵐が丘」ほど衝撃的な恋愛小説をわたしは知らない。いやいや「マノンレスコー」や「カルメン」や「天の夕顔」や、その他諸々の恋愛小説なんて、ただの「恋愛小説」にすぎない。この実存的な小説に比べれば。と、激賞すると、いろいろ聞こえてくる。この、英語で書かれた3大悲劇のひとつの、荒削りで多少は野卑で、そして乱暴な小説の悪口をいう声が。毀誉褒貶のこれほど激しい小説も珍しかろう。でもこの小説の、典型的なFrame Story の結構はなぜだか懐かしいのだよね。この小説の、一見クラシカルな枠物語の、その時間構造を、いまこそ解き明かしてみたい気もする。

 なぜこんなことをいちいち書くのか?アルク編「英語をモノにするためのカタログ'99」で知った、NewYork Times のブックレビュー(http://www.nytimes.com/)(初回は登録要す。無料。)にアクセスできて、なかなか難しい書評に格闘したから。(IN PRAISE OF ANTIHEROES Figures and Themes in Modern European Literature, 1830-1980) アルクのライターも書いてたけれど、かつての憧れの書評が、こんなに簡単に読めるなんて、ありがたいことだよね。

5月10日(曇り

 別離 by 嵯峨信之

 できるなら

 ぼくはそこでその全部を暗誦したかった

(生きた日のかぎりを)

 それからプールの縁に桜草をいっぱい植えて行きたかった

 わらべ歌をうたい

 遠い日の子供になって



 春風駘蕩。過ぎて再び帰らぬ家族の幸福の一日を懐かしく思うときに、ぼくはこの詩を想い出す。

 ダーク・ボガードが亡くなった。映画「ヴェニスに死す」の主人公の設定を、老作家から音楽家へと変更したのはヴィスコンティの秀逸である、と川村二郎が書いていたっけ。(「ヴェニスの死の音楽」)「地獄に堕ちた勇者ども」を大塚の名画座で観たときは立ち見満席だったよ。あんな時代が懐かしい。そう、時間がたっぷりあった時代、映画が熱かった時代。

5月12日(曇り

 Music Boulevard から3枚のCDが届いた。EL&PのFirst。Take a pebble も 昔聴いたときのような衝撃はない。高1の頃か、NHKのBBSライブには衝撃を受けたものだが。Giles Giles & Fripp の幻の処女作、" The cheerful Insanity "。JAZZとBlues とイギリスの伝統音楽(民謡)の混交した一種特有のノスタルジー。ここから、あのKing Crimson のFirst の間に何が起こったのか?Altavista で緻密な批評に巡り合えた。それからKing Crimson のRed。

5月15日(曇り

 入試問題をデータベースとして構築するときに、さまざまな問題にぶつかる。第1に、問題本文をどう記述するか、だ。ご存じのように、入試問題は問題本文に、下線や括弧(空所)や記号付き傍線など、さまざまな属性がつきまとう。標準テキストとしてデータベース本文を構築すれば、これらの属性はなんらかのルールで簡略化するしかない。かといって、Wordなどのアプリケーションで構築すれば、簡易問題制作ツールとしては使えるが、本格的なDTP用素材としては中途半端だし、データベースとして運用する際にこれらの属性は死んでしまう。Acrobatを使う方法もあるのだが、属性の検索という意味では無力である。

 ここで、HTMLが浮上してくる。 

If he doesn't take back what he said, I will never speak to him again.

ここで属性として加えられた、下線やイタリックやボールドは、HTMLソースでタグ付きで記述されている。従って、検索や置換や、正規表現を用いた加工や、専用のユーティリティの開発によるデータベース構築が可能になる。

 もっともこんなことは当たり前だ。そもそもSGML自体が膨大な文書を統合的に管理するために開発されたわけだから。去年の今頃、私たちはとあるソフト会社と、その種の専用ツールの開発を検討したことがあった。今日ここに改めて書くのは、さりげないことだけど、このところ自分で英文の入試問題をExcel や Word を使って HTML に書き出してみて、その簡単さに驚いたからだ。現有の資産ですら、こんなに簡単に<データベース>化できるのである。下線付きの will が検索できる。

 そこで XML(eXtensible Markup Language)の登場である。IE5.0の標準対応で、表舞台に満を持して登場したXMLは、SGMLのサブセットであって、SGML の規格書が500頁を優に超えるのに対し、XMLの規格書は30頁足らずであるという。方言が増えすぎたHTMLの矛盾を打開するための上位互換であると。数式の記述の標準化が図られている。おお、XMLを研究しようと、突然思い立ち、富士ゼロックスの運営するXMLの包括的なサイトにたどり着いた。たぶん、XML に重大な鍵があるように思えてならない。

 はたまた、Web 上での教育コンテンツの制作と、CMI学習管理のための Macromedia のツール。Authorware や、Pathware はちょっとしたカルチャーショックであった。Flash といい、Director といい、しばらくこの会社から目が離せない。いろいろと教えてくれた会社のFujimotoくん、どうもありがとう。

 日経ビジネス誌、コンパックの危機を伝える詳細な記事あり。昨日の覇者が今日は凋落の危機か。DECやタンデムの買収が身に過ぎたのだと評するむきもあるとか。


 駅前にて、森鴎外集(新潮日本文学1)、福永武彦の選と解説。福永武彦の解説を丹念に読んで、等身大の鴎外を感じた。他に、山田詠美「放課後の音符(キーノート)」(新潮社)100円。装丁がおしゃれで買ったのだけど、案の定、文章が上手だ。

5月16日(曇り

 TOEICの試験を受けに渋谷は青山学院大学まで出かけてきた。青山学院・・・上京25年目にして中にはいるのは初めてである。教え子たちが通った大学・・・。感慨深し。それにしてもTOEIC は難しかった。リスニング、リーディングぼろぼろ。まるで弊社の模試を年末に受けた某人気タレントのように、脳が真っ白になって、"has been "にやられた・・・なんて訳の分からぬことをつぶやきつつ青山を後にしたのであった。受験生の心情遅まきながら分かるなり。宮益坂瀟洒なり。されど昔(20年ほど前)の高雅な古本屋は見つからず。外国文学の充実していた青山そばの古書店、はたまた渋谷駅近く、「吉田一穂大系」(仮面社)の置いてあった古書店、他いくつかあった記憶があるが、すべて見つからず。試験終了後、ぼろぼろになりつつもいささかは解放されておしゃれなお嬢さんがたと一緒に歩きながら捜したのだが見つからず、寂しいなり。その足で昔住んでいた中目黒に寄り道す。ここも昔日の「杉野書店」は健在なるも、ビニールでくるまれた本やらコミックやらに占有されていて入る気がおきず。昔日の友の落莫を見るに忍びなく入店せず。その他、10年ほど前ふらりと下車した時は気の利いた古書店が2店ほどあったように思ったが今日は見つからず。大岡昇平「萌野」を買った店も見つからず。駅の周りをぐるっとまわって昔の下宿や銭湯やよく通った定食屋や洋食屋を捜しながら散歩したが、結局何の感興も抱かずに町をでたなり。駅前洋食屋「スイス」若夫婦で店を切り盛りしていた当時のあの若い奥さんは、いまや50歳手前になるはずで、再会がこわかったのだが、店周辺は再開発で大きな白い塀に覆われて店の跡地にもたどり着くことはできなんだ。永井荷風の随筆のような嘆きを胸にして町を後にしたのなり。もう、この町には、こないかもしれない。さらば、札幌ラーメンの店「三平」(中目黒駅西側のガード下)よ。昭和50年の4月に、親父と味噌ラーメンを食べた店よ。おまえだけが健在だったが。さらば我が暗き青春よ。なんちってネ。

 標準XML完全解説(技術評論社)2280円+税。自宅そばPC DEPOTにて。今晩はとりあえず英語から解放されてこの本や森鴎外や「嵐が丘」を読むのなり。


 昨冬、吉祥寺の民家から買ってきたサボテンがちいさいからだに似合わぬ大輪の花を咲かせようとしている。サボテンの花が夜咲くのは昼間の過酷な環境がなせるわざなのか?小学生の頃、親父の丹精こめていたサボテンの妖しい花が夜咲いたときに胸のときめいたことを想い出した。というのは、息子ふたりや妻が今晩咲きそうな花のことで妙に興奮しているからだ。そんなことを考えていたら、詩人鈴木志郎康氏のご子息と奥様の仔猫顛末記を詩人のホームページで読んだ。里親にもらわれていった仔猫のいなくなったあと、今は主のない寝床をみつめて妙に寂しい詩人の思い。そこに寺田寅彦のエッセイなども重ねて想われて、妙に面白かった。今朝の日経新聞読書欄、健在なる庄野潤三の最新作「庭のつるばら」(新潮社)に、高橋英夫氏が優しいオマージュを捧げている。そうだそうだ、日々平穏、ゆるやかに過ぎゆく日々の、ささやかな幸福を、いささか私も理解できるようになった。そんなことを、サボテンや仔猫や読書が教えてくれる。

5月18日(曇り

 学術情報センター (NACSIS) の運用する日本中の図書館の学術情報データベース。NACSIS Webcat。感動しますぜ。わたしは卑近にも「遊」(工作舎)や「終末から」(筑摩書房)の雑誌情報で遊んだが、ちゃんとでてくるところもすごい。

 ウオーターフロントに行った。新橋からゆりかもめに乗る。初めて。うれしくてきょろきょろしちゃった。遠足で乗った長男の追体験。国際展示場で、さるソフトのセミナーに参加。すごいぜ、教材コンテンツの国際標準規格(AICC)をIEEEが認証したなんてこと初めてしった。おくれてるよ、おじさんは。もうすぐISOやJISにも認定されるもよう。このところ、W3CでもXMLでも、すべてWWW上に公開されていて、すごく感動することが多いのだ。はたまた、コンパニオンのお嬢さんたちにたくさん逢えてうれしかった。

5月19日(雨後曇り

 XMLとHTMLはXHTMLで統合されるらしい。なんだか俺にも分かる理屈でシンプルだが、どうもそうらしい。情報科学の天才・秀才たちの詳細レポートはこちらを。Author Once, Run Anywhere、かいつまんでいえば、書式のみならずアクティブな処理もダイナミックに生きるということなのか?AORA、これからのキーワードになるかもしれぬ。ラオックス休みで、サーバーの技術概要に関する本の購入はできなんだ。

 Music Boulevard と CD Now の合併。メールが届いていた。いろいろ変化が激しすぎるので、いささか疲れのたまっている今日この頃である。

5月20日(

 Authorware のデモンストレーションを某社から受ける。その後にAltavista やYahoo.com やgoo やYahoo JAPAN でいろいろと調べた。大半はクローズされたコンテンツや有料光り物コンテンツに使用されているようだが、日本の小学校の先生(定兼先生)が作った算数のコンテンツはWEB上に公開されている。あと、化学の学校なんて壮大なコンテンツも見つけた。はたまた、USAではAuthorware自体のチュートリアルがAuthorwareで書かれていて、それをWeb Player で学ぶところが面白い。いくつかあるようだ。4MB に及ぶ Plug-inをダウンロードして操作してみた。

 Barron's社のTOEIC TEST 対策本(Amazonの紹介はこちら)、大冊やっと紀伊国屋から届いた。注文から2ヶ月かかった。カセットがCDに代わり、バージョンアップしていた。Amazonのほうが安くて速いのか?USA価格30ドル足らず、税のことはおいても、Amazonのほうが安くて速そうな気がしてならない。それにしてもCD4枚付、この重厚な内容で30ドルとはやすいものだ。価格破壊は続いているのだと実感した次第。(後記:AmazonやB&Nだと、実売$23くらい。やっぱり国内の洋書店を使うより、直接USAに注文した方が安くて速そうだ。)

 6月5日に新宿で開催する高校の後輩たちの歓迎会のことで鹿児島のOBの実家に電話したら、吉祥寺駅まできてくれたので迎えにいった。SUTの1年生。「本当の勝負は大学院からだと思ってます。」その心意気やよし。しばし歓談して、同期生の幹事役をお願いした。がんばらなくちゃ。

5月22日(曇り

 WWW上でのCBT(Computer Based Training) の可能性についていろいろと考えている。今朝は早くおきて、TOEIC のOnline Test をみつけた。CanadaのOkanagan University がWeb 上で公開しているのだが、フルセットはCD-ROMで有償のコンテンツのもよう。Shockwave のプラグインをダウンロードしてしばしトライしてみたが、なかなか有益なり。第一信じられない位容量が小さいのに驚いた。Directorを使って開発すれば、こうしてWeb上でも使用でき、光り物コンテンツにも使えるわけだ。当たり前といえば当たり前だが・・・。というわけで、プログラミングの血が再び騒いでいる。Director(Ver7.0で128,000円に値下げ) と Authorware。

 午後は、中村橋、中村小にて長男のサッカーチームの試合見物。3−0で負けた。長男のチームの監督さん、言葉遣いが丁寧なのに感心した。富士見台の古書店「山本書店」にて。内田百間(※門に月)「御馳走帖」(中公文庫)、井上章一「美人の時代」(文春文庫)、他。中野区鷺宮にお住まいだったなくなった作家は、重兼芳子女史か?

5月23日(晴れ

 Director 6.0のマニュアルをこれから読むところ。RealProducer 、ストリーミングコンテンツ作成のツールも無償であるとはしらなんだ。(フルセットの版は有償)。4MB のファイルだがダウンロード中に通信障害でダウン。またこんど挑戦しよう。

5月24日(雨 生活の閉塞あるいは書物の未来

 中村雄二郎の岩波新書新刊、表題を失念したが、「術語集」以降の哲学者の思索の跡を窺わせて興味深い。インターネットと、マラルメの「唯一の書物」の比喩に関する考察を上石神井の本屋で立ち読みした。つまりはこういうことか?ボルヘス「砂の本」に書く・・・。

「夏が過ぎる頃、その本は怪物だと気づいた。(中略)それは、悪魔の産物、真実を傷つけ、おとしめる淫らな物体だと感じられた。」(集英社版、篠田一士訳、1980)。

「伝奇集」(Ficciones)所収「バベルの図書館」の最後にボルヘスは書く。(集英社版、篠田一士訳、1975)。

「(その無秩序は、繰り返されて、秩序を構成するだろう。秩序そのものを。)私の孤独はこの風雅な希望を喜んでいる。」 

はたまた、「不死の人」(土岐恒二訳、白水社、1968)所収「神の書跡」のなかでボルヘスは主人公に語らせる。

「わたしはただひとつの幸福を形づくっている無限の過程を見、すべてを理解しながら、ついに虎の書跡をも理解するにいたった。」そのたった十四語のことばを、発することで「全能」となる権利を放棄し、主人公は秘密を秘したまま、生を終えることを決意する。「それゆえにわたしはあの祭文を口にせず、そのゆえにわたしは、この幽暗のなかに横たわりつつ、日々がわたしを忘れ去るままになっているのだ。」

 わたしのこのvirtual な書物(=ホームページ)の、はりめぐらされたリンクのゆきつくところ、ハイパーリンクのひとつひとつはまた様々なページにリンクし、その連鎖は有限でありながら無限であるだろう。何故無限か?ひとつひとつのリンクは時間とともに増殖しあるいは閉じて、時間と共に生成しかつ消えるであろう。それがゆえの「無限」の眩暈を、このわたしの憂鬱は楽しんでいる、と。

5月25日(晴れ

 とても暑い。仕事と、新卒歓迎会の関連で忙しい。

 Borges のことを昨夜書いて、気になったので、Alta Vista で調べてみた。Alta Vista もまたまた進化していて、Borges のクエリーに対して、可能と思われる様々な選択肢を提案してくれる。そのなかからJorges Louis Borges をクリックして選択。全世界の Borges に関するWeb の一覧。飛び込んだ先は、トップこそ英語であるものの、詳細ページはすべてスペイン語だ。書誌も年譜もすべて。ここにきて思う。インターネットは全世界を統一のインターフェイスで繋いだので、原語→(翻訳家)→翻訳 というフィルタが、ある意味では破壊されてしまった。もちろん、この僕はスペイン語はわからないので、日本語訳せいぜい英訳を通じて親愛なる作家と接点をもつしかないのだが、それにしてもだ、飛び込んでくるデータが原語であることの、あたりまえの挑発を、その機会のたびに、受け取ることは、外国文学をかつて学んだ人間にとっては、ひとつの強烈な示唆なのである。ということを、インターネットを通じてまじまじと体得するのである。するとなんだ、多言語文化を、いっぽうで駆逐する要因である、インターネット(たとえば、Unicode を巡る2バイト文字の扱われ方の混乱を想起されたい)は、他方で、マルチ言語の、豊饒で肥沃な、土壌でもあるのだ。この二重性は、ある意味ではあたりまえだろう。しかし、このことを、敢えて書くということは・・・。ここに重要な示唆のあるのを感ずるのである。(サイトのひとつ)(このサイトでは、先日の日経新聞読書欄で紹介されていた、イタロ・カルヴィーノがテーマになっている。「カルヴィーノの文学談義」(朝日新聞社、1900円)。千年単位の文芸史、しかも次の千年紀の文芸展望なんてありきたりの未来学を吹っ飛ばすようで興趣深い。しかし、なんだ、やっぱり日本は中世の文芸の豊饒さにかけては、世界文学史の奇跡だね。)

 「愛書家ホームページ」の広大なリンク集のなかで、小生のホームページが紹介されているのを発見した。うれしいなり。

5月27日(晴れ

 朝、身の危険を感じるほど風が強かった。

 MathML の話題をW3Cから。ぼくはかねがね数学者の業績に敬意を表する人間で、ガウスやライプニッツやニュートンやパスカルや関孝和といった天才たちの営みに常々注目しているのだけど、数式の発明といったことも、大いなる業績のひとつだろう。少なくともバベルの塔以来なんらコミュニケートする手段を持たぬ多種多様な人種・民族は、数式の表現においては、一般言語の手助けなしに情報を共有できたのである。ところが、ASCII文字の流布がネットワーク標準となるにつれて、数式は、重たい厄介者として敬して遠ざくるところなきにあらずや?実際、インテグラルやシグマを記述しようとして、途方にくれる場合も少なくないだろう。Yahoo! JAPAN の、数学・科学カテゴリイには、多数の真摯なWebがみられるが、多くは数式部分を、jpegなどの画像として提供しているにすぎない。本来、数式は、生きていて、動的な活躍をすべきところ、単なる画像とは、悲しいではないか。ここにおいて、XML の世界では、数式が表現可能であるばかりなく、アクティブに生きることができるということを、仄聞して、ひそかにうれしく思う、私なのである。

 同窓生と電話やメールやFAXで連絡を取り合うことが多い。後輩の歓迎会にカンパしてくれたNくん・Sくん・Oくん、ありがとう。

キリコのホームページなぜか趣味のぴったしなお若いひと。USAではここ(The Giorgio de Chirico Metaphysical Gallery)。なぜキリコって懐かしいのだろう?「魂は、どうして地上になじまない?」(トラークルの詩の一節)

5月28日(曇り

 このところすっかりパソコン三昧である。といってもハードウェアは予算がいるので、もっぱらソフトウェアまわり。今朝は、Real Producer G2 をダウンロードして、ストリーミングコンテンツを作ってみたが、うまくいかない。ブラウザは埋め込んだファイル700kb全部を読もうとしてしまう。解決策は?Readme 読むのが億劫で未だ読んでない。はたまた、QuickTime 4 のベータ版(英語版)ダウンロード。今度は、Fireworks の期間限定版をインストール。Acrobat Reader4.0 も入手しなくちゃ。ASCII 6月号を近くの本屋で買う。相変わらず中身が濃い。自分のページにFlash のサンプルを埋め込んでみた。(見るにはPlug-In が必要です)こちらは簡単にできてしまった。

5月29日(曇り

 今日は遠出をしようと思ったのである。しかもひとりで。遠く茨城県は土浦まで。常磐線で揺られながら。ところが気がつくと今日も大半はパソコンの前で過ごしてしまった。このところパソコン三昧が続いている。(土浦までは、バス・フィッシングの下見にいこうと思っていた。なにせ土地勘が全くないので、6月に息子どもを連れてゆく前に、実地検分しようと思った次第。WWWで調べてみたり、本を読んだり、同僚のJoJo氏の体験を聞くにつけ、期待は高まっているところだ。)

 昨日届いた「日経ビジネス」の広告にでていた「デジタル大事典(1999-2000年版)CD-ROM付 5,000円を探してPC-DEPOTに行った。あいにく店頭にはなかったので、日経BP社に電話で注文した。キャラベルのCD-RW USB接続の機器が4万を切っていたが、動作が不安で思いとどまっている。

 子供たちは、学校やらサッカーの練習試合で出たり入ったりするので、成り行きでとうちゃんが留守番となった。昨日買ったASCII を読んだり、昨日インストールしたFireworks (期間限定版)で画像の加工などをやってみた。けっこう面白くはまってしまった。そんなわけでAdobe や Macromedia の米国のホームページをつぶさにみていると、おや、あの Dreamweaver の教育コンテンツ制作専用版 Dreamweaver Attain なるものが出ているではないか!(日本未発売)すきものとうちゃんは12MB にも及ぶ45日試用限定版を1時間もかけてダウンロードしたのである。どんなところが教育専用なのだろう?興味津々であるが、未だ試していない。(かたやMicrosoft は、XML を応用したダイナミックなWeb 制作ツールのb版を無償で公開している。Microsoft のことだから、いずれはビジネス標準とするつもりだろう。ASCII で読んだ EXCEL の次のバージョンなどの速報を読んでも窺い知れるところだ。XMLやWeb Contents の標準仕様を巡る動向が、いまは熱い。)

 というのも、それからすぐに、石神井公園 焼肉レストラン「安楽亭」に家族で夕食にでかけたから。家族一緒の焼き肉は楽しく、美味なり。子供も喜んだ。さて、隣の席に座っていたカップルのうち男性は昔の弊塾の卒業生Eくん。彼は気付かなかったので声は掛けなんだ。帰路、家族と別れて、ひとり石神井公園へ。古書店「草思堂」にて、吉村昭「冷い夏、熱い夏」(新潮社)300円、池上永一「バガージマ ヌパナス」(新潮社)250円、久世光彦「卑弥呼」(読売新聞社)600円、しめて1150円(ちなみに税込。定価計は発売時で4500円)、どれも美本なので、たいへん安い。うれしくなってルンルン、駅前のコンビニにお酒を買いに入ったら、レジには、柔和で優しい笑顔をした、知的で、頭の良さそうな、美しい、色のしろい、上品な、(つまり可愛らしい)、スタイルのいい、天女のような、お嬢さんがいた。この子も、弊塾の卒業生の、Cadさんである。つまりつまり、この町はOBだらけなの。風采があがらぬ格好をしていて、酒も入っていたので、声は掛けなかった。Farewell、優しい天使よ。また逢うことがあるだろうか。

 明日から仕事。後輩の歓迎会の準備もある。がんばろう。さていつ、霞ヶ浦にいけるんだろう。

5月30日(晴れ 風狂なる家族

 初夏のような暑い一日であった。妻子が吉祥寺に遊びにきたついでにとうちゃんの会社に顔を出した。近くの民家に案内して、みなでサボテン2鉢購入。650円はとっても良心的。ついでに会社近くのプラモデル専門店 J-WAVE 見学。帰路は善福寺池に寄ったということ。

 

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