6月2日(金) 晴れ

 石神井公園にて久世光彦「マイラストソング」(文藝春秋、350円)、金井美恵子「本を書く人読まぬ人 とかくこの世はままならぬ PART II」(日本文芸社、450円)。家についたら「日経ビジネス」「日経エレクトロニクス」がついていた。特集は各々「日本を蝕む学力崩壊〜反知性主義を克服せよ〜」「USB2.0の誕生」。

6月4日(日) 曇り <形はやくざに やつれていても 月よ見てくれ 心の錦・・・>

 働きすぎた・・・。「貧乏暇なし」と自嘲しているうちに、本当に習い性になってしまった・・・。

 久世光彦「マイラストソング」、数年前文春文庫の新刊でちゃんと読んだ本なのに、古書店で単行本を見るとやっぱり買いたくなってしまう。店頭でぱらぱらとめくると、懐かしい光彦叔父さんがそこにいて、ついつい買ってしまう。今年65歳の高名な作家に叔父さんとはなれなれしい言いぐさだとおもう。けれど、これがぼくの本心だ。光彦おじさん、亡くなったぼくの父の少し歳の離れた弟くらいの歳?だから、音楽の好みも、亡き父のかつての嗜好と似通うところがあって、それも懐かしさのひとつの理由だ。李香蘭こと山口淑子が蘇州夜曲を歌うのを、ぼくはたった一回だけ家族と一緒にテレビで観たことがある。昭和40年代の終わり頃か?その李香蘭と、最近話題を集めている彫刻家イサム・ノグチが、戦後まもない頃、4年数ヶ月という短い期間ではあるが鎌倉で新婚生活を送っていたことを、今朝の日経新聞見開き特集で知って驚愕した。当時の彼を庇護したのは北大路魯山人だという。同じ日経朝刊、「加齢社会」コラム、吉行淳之介のお母さん吉行あぐりさんと、吉行和子・吉行理恵さんたちの近況。ご健勝のようでなにより。


 石神井公園にて、徳永英明「Remind」3059円。収録の1曲「オリオンの炎」を先日職場のそばの100円ショップの有線で聴き、売場にへたりこんで泣いたのはぼくだ(うそ)。アア、アノおりおんヲ君モミテイルカイ?そう、この1行で徳永英明を許した。この20年の間、「昴」を歌った、あのほら、谷村新司か、あの愚鈍な歌詞を許すことのできないぼくだったが、(ああ、名もなき星たちよ、せめてすこやかにその身を終われよ、とはなんという馬鹿げた歌詞か!聴く度にヘドがでる)やっとJ-POPにも天文を歌う歌曲ができたのだった。他にブレヒト「三文オペラ」(岩波文庫、150円)

6月6日(火) 晴れ

 藪内清氏(中国科学史の大家)逝去の報に接した。享年94歳。こうして昔親しんだひとが亡くなってゆくのは悲しいことだ。

6月10日(土) 

 吉祥寺よみた屋にて、古井由吉「山に行く心」(作品社、100円)。このところフリーソフトのお世話になってる。Sound App (for MAC)はさまざまな音声ファイルの一括変換、シェアウェア「あちこちメール for Win」2800円はカスタマイズしたメールの一斉送信。それと、Real Producer Plus 29800円はReal Audio形式への一括変換。一括処理というのがキーワードになっているのが面白い。

6月11日(日) 雨後曇り

 日経文化面、饗庭孝男「よみがえる石田波郷」、その隣のコラムで、芳賀徹が同じ俳人についてコメントしている。偶然かしら?ご子息の石田修大氏の「わが父 波郷」(白水社)がこのところ評判になっている。

 作家の松本侑子女史が訳した「赤毛のアン」(集英社文庫)がなぜか少し気になっている。村岡花子女史の訳で定着した少女文学という枠を超えて、文学的な引用の織物としての「赤毛のアン」を再発見するということ。そこに援用されるのは、MailingListやWWWなどのインターネット文化であるいうことが面白い。松本侑子氏のHPはこちら

6月12日(月) 

 USからCD3枚が届いた。USの消費税も日本の消費税も払わない、ボーダーレスな購買。King Crimson "Starless and Bible Black", "the construKction of light", YES "Close to the Edge". プログレオタクの道楽。うれしい。

 仕事漬けの毎日。でも楽しいこともある。自動処理の夢、再燃。バッチ処理を経て、同じオタク仲間のFくんと、SEDやPerlでのテキスト処理の自動化の夢を語り合った。ま、既知のひとには既知なんだろうが(当たり前)、既知でないことに嬉々として取り組むときに、こころは弾む。他に、USの2人とTOEIC素材の収録も愉しい。Samさんは、7月からイタリア・ドイツ・ベルギー・UKと、フランスの周りを周遊するとのこと。Except France! と笑ったら、FranceやSpainは既に昨年訪問したとのこと。

 今夜、南方文枝さん(南方熊楠のご長女)の訃報に接したのは悲しかった。享年88歳。ご冥福を祈る。

6月14日(水) 雨後曇り

 またまたシェアウェア。「はや聞きスタジオ」。音声ファイルを2倍速・3倍速などのファイルに一括変換する。

 XMLに関するA社のプレゼン、尽力されたY氏、O氏に深謝、深謝。革命前夜である。

6月15日(木) 晴れ 中年の悲しみ

 歌を忘れた中年は、カナリアよろしく放逐されて夕刻煙草を吸いながら行く末来し方を思うのであった・・・。こころが萎えたときひとはどこへ向かうのか?衰微したエロス的心情へ?詩へ?

6月16日(金) 晴れ

 皇太后さまご逝去。もう一度昭和が終わった感慨。 中央線ガード下に新しい古書店ができた。その名も、りぶる・りべらる。古書のはなつ匂いのかぐわしさを再確認した。この領域に足を踏み入れたならば、もう還ることはできない。

6月17日(土) 

 成田空港にP女史を迎えにいった。遙々TEXASからのお客さま。人混みの向こうに笑顔を見つけるとき自ずと手を振る自分がいた。TAXIで目白までご案内。目白の某ホテルにて日本食の会食。話が弾んだ。http://www.tisworldwide.com/

6月18日(日) 晴れ

 梅雨の谷間の貴重な晴れの日曜日。息子2人を連れて土浦にバス釣り。釣り人少なく、釣果もなし。息子2人のつまらぬ諍いに愛想をつかし早々と引き上げた。帰路池袋ジュンク堂書店にて、久世光彦「泰西からの手紙」(文芸春秋、2500円)。そのなかのいくつかを読んで、早く寝た。

6月19日(月) 晴れ

 土曜日、来賓をのせて、降りそぼる雨を、高速を走るタクシーの車窓に眺めながら、" I hope it will be fine tomorrow." とのたまわったのはこの私。どうもこの英文は、晴れることを(具体的な事実でもって)確信している話者を想定しているようで、希望的観測のつもりでしゃべった私にも関わらず、聞き手はすごく喜んでくれた。そんなことを思い出す。それから二日間、幸福にも雨が降らなかったので・・・。shopping も Guide Tour も楽しんでいただけたであろうか?P女史の東京ライフを心配したり喜んだりするのも、TEXASでの数日を想うからこそ。快晴の、もう日本の真夏のようなTEXASの4月の暑さを想うにつけ、いろいろと気をつかっていただいたUSAの数人の友を思うのであった。これはこれはひとつのささやかな徳。(と、東洋ではいうのです)、VanCouver出身のSさんと、TOEICの収録を数回重ねて、いつの間にか、ゆるやかに、自分は日本と遠いところで遊んでいた・・・。"I have never seen such a beautiful landscape! " とは小生のVanCouver へのオマージュであります。

6月22日(木) 晴れ・曇り

 P女史からは素敵なお土産を頂いた。深謝!

 心の鬱の晴れない毎日。新しく出来た古書店(吉祥寺駅南口下車新宿方向にJR高架沿い徒歩3分)を仕事の合間に覗いてすら心は晴れぬ。仮面社の吉田一穂大系35,000円は高いのか、安いのか?今朝方の夢、ふるいアイドルなのか昔の教え子なのかその両方のような女性から性的な誘惑を受ける夢を観た。のであるが、こころの、魂の古層のところで、ひっそりと優しく、そのことで癒された自分がいる。考えてみればそんなことを、テキストデータにして公示するというのも、ひょっとすると相当あぶない行為のような気もすることに気ついて、今や少し、ときめくこの宵である。

6月24日(土) 

 Pさんにお土産のお礼状をメールで送った。「公的私的英文レター実例集」(ペレ出版)を参考に。TOEICのスコアが返ってきた。800点まであと少し。今朝は早く起きて、自分たちのこさえたTOEICのサイトで練習してみた。eラーニングがもてはやされているけれど、教材の保存性・学習履歴の自己管理のたやすさという意味では、まだまだ本+CDの学習のほうが便利だ。書き込んだりもできないしね。電子辞書(Babylonなど)が自由に使えるという意味ではメリットがあるけど。せめて、学習履歴を学習者自身が照会・閲覧できるようにしなくちゃいけないな、と思った次第。

 雨の土曜日。Wild Wild West をDVDで観る。監督自身が撮影の実際を詳しく解説するモードで、リスニングの練習もできた。ただそれだけの土曜日であった。夜、eラーニングについていささかの所感をまとめてMLに流した。

6月25日(日) 雨時々曇り

 前評判の高かった、"Sixth Sense"を借りてきて観たが、思ったほどの緊密なドラマではなかったような気もする。子役がいとしい。

6月29日(木) 曇り時々晴れ

 Sixth Sense のことだが、リョウ斎志異に、この種の哀しいプロットの物語ってふんだんにあったような気がする。読み返す余裕はないものの、夜自転車を疾駆しながらぼんやり考えた。

 5.5万円の激安パソコン(Gateway)をWebで購入した。届くのが楽しみ。

 XML技術大全(ピアソン社)6500円。た、高い!けど買った。買ったけど読む暇がない(涙)。SEDの本も買って読みたいのだが、暇がない。生産性の低い仕事をいかに効率よくこなすか?

 数社のプレゼンや打ち合わせに出席して、疲れた。このところ、IT関連の提案を多く受ける。自分も勉強しなくちゃ。

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