2月28日(水) 

昨夜は疲れていたのでタクシー帰宅。石田五郎『天文台日記』(中公文庫、1050円)と、中村義作『パズルでひらめく 補助線の幾何学』(講談社ブルーバックス、903円)を注文。

仕事が山積してるのに、ちっともはかどらない。ときおりひどくウツになる。

2月27日(火) 

昨夜からマリオ・リヴィオ先生の『なぜこの方程式は解けないか?』を読み始めた。訳者あとがきにも記されているが、著者のHPにアクセスすると、その暖かい人柄をうかがうことができる。思い起こせば、2005年の夏、ニューヨークのグランドセントラル駅の構内書店で、平積みになっていた『Golden Ratio』(邦訳 『黄金比はすべてを美しくするか?』(早川書店))に目をとめたのがきっかけで、この著者とめぐり合った。一冊の書物を媒介に海のむこうの著者に思いをはせるのも、また、読書の愉しさである。目下、第3章、イタリアルネサンス期の、三次方程式の解法をめぐる人間模様にさしかかったところ。なかなか、面白い。(写真は原著)

 

 

 

 

 

 

 

2月25日(日) 

模擬試験の実施日で、出勤。ただ、国公立大の個別試験の日でもあったから、職場はむしろその関係で忙しかった。

早めに切り上げて、上石神井の古本屋をめざしたが、残念なことに閉まっていた。なに、剣客商売の残りの巻を買おうとおもったまでだが。しかたなく、上石神井のBookOffを覗くが該当の巻なし。またまた、自宅そばのBookOffに立ち寄り、『剣客商売 二十番斬り』(新潮文庫、250円)を買う。

なぜかしらぬが、15年ぶりに池波正太郎に復帰したこの冬だった。自宅に帰り、玄関そばの日本文学文庫の棚を調べると、あるわあるわ、その昔買って忘れていた池波本がそくぞく。古本が住居を圧迫して肩身の狭いこのごろだが、買った本はすべて捨てぬ一大方針のせいで、こういうときは便利だ。近年は長男も我が一派となり、彼の気になる本はあらかた<でてくる>我が家の不思議な書棚におおいに感心しているようだ。ま、これも親父のささやかな資産といえよう(笑)。

四方田犬彦がその師・由良君美の没後15年をへて発表した評伝のおかげで、わたしとしては約30年ぶりの由良君美ブームとなっているが、Amazonの書誌で買うには買えるはずの書籍を、いまはじっと我慢している。

2月24日(土) 快晴

雨模様の昨日とはうって変わった快晴だが、風が強く冷たい。今日は休むことにする。

マリオ・リヴィオ『なぜこの方程式は解けないか?』(早川書房、2200円)と、由良君美の評伝が掲載された『新潮 3月号』はAmazonで注文済み。本日届く予定。

岡崎さんの古本仲間、関西赤貧古本道の山本善行さんも、ブログ「古本ソムリエの日記」開始。わたしはこのところ古本からは遠ざかっているが(なにしろ本を置く場所がない)、おふたりの日記を読むのが日々のささやかな愉しみ。

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夜・・・・珍しく週末に家族が揃ったので(といっても次男はサッカーの練習だったが)、長男と3人で、中村橋の中華料理鍋家(こうや)にでかけた。それほど大きな店ではないが中国人のコックが5人?もいる、なかなかお洒落な店で、料理も美味い。3人であれこれ注文し、ビールをつけて6400円は安い。ここも、このところ、近所のグルメ探索のガイド本となっているManoaさんのブログ 東京ウエストのご紹介による。

 

 

2月22日(木) 晴れ

その『新潮』3月号を求めて、吉祥寺の2書店を巡ったが、店頭にない。かわりといってはなんだが、啓文堂でホルクハイマー&アドルノの共著『啓蒙の弁証法』(岩波文庫、1260円)を買っておく。

日経夕刊の書評欄で、サイエンスライター竹内薫の推すマリオ・リヴィオ『なぜこの方程式は解けないか?』(早川書房、2200円)をチェック。群論の入門書で、ガロアやアーベルの評伝が特に秀逸だと。このひとの『Golden Ratio』は買ったままになってるが、こっちもやがて買おう。

毎日毎日、薄氷を踏む思いで仕事を片付けているが、品質に万全の確信はない。この孤独感はなかなか深く、精神的な疲労をためこむ原因となっている。

2月21日(水) 晴れ

岡崎さんのブログは、再開早々、快調でなによりのこと。山村修さんの遺著『書評家<狐>の読書遺産』で、岡崎さんもはじめて知ったという石田五郎『天文台日記』(ちくま文庫)。その魅力についてじっくりよませていただく。また、『新潮』3月号で、四方田犬彦が師・由良君美の評伝を発表して、読書界で話題になっていることも教えられた。

2月19日(月) 晴れ

岡崎武志さんがはてなのブログを再開されたのはうれしい。

2月17日(土) 曇り

金魚のフンのように仕事が切れぬ(笑)。働けど働けど暇にならざり、ひとこれをワーキング・プアと呼ぶ。

昨日は昼休みに職場を抜け出し上石神井までサイクリング。せきぶん堂にて、池波正太郎の剣客商売シリーズ『十番斬り』『波紋』『浮沈』(新潮文庫、計880円)を買い求める。他に、Amazonで、内橋克人『悪夢のサイクル―ネオリベラリズム循環』(文藝春秋、1330円)。

昨夜はまた、吉祥寺とらふぐ亭にて職場の懇親会。禁断のビール他しこたま飲み、タクシー帰宅して後、またまたチューハイを飲む。


比較的静かなオフィスで、集中して仕事をこなし、5:30退社。小雨が降りだしたので、車中で剣客商売を読むつもりで、東中野→練馬ルートで帰ることにした。だが、荻窪に至るやささま書店詣での気分になり、途中下車。ささま店頭で、多田智満子訳のユルスナール『東方綺譚』(白水社、315円)のみを購う。石神井公園経由でバスで帰宅。9時前に床に就き、ながく眠った。

2月13日(火) 晴れ

3連休中、2日は職場で残務整理中心にかるく働いた。12月中旬以降の一連の仕事がほぼ終結。風呂もはいらず泥のように眠った。

山本一力・縄田一男・児玉清『ぼくらが惚れた時代小説』(朝日新書、756円)は、鼎談形式の時代小説ガイド。天野彰『夫婦の家』(講談社+α新書、840円)。

2月10日(土) 晴れ

昨夜は急な雨でタクシー帰宅。今日もぼちぼち仕事をこなして、早く帰宅。職場の近くの吉祥寺の住宅街の庭先では、ひとあしはやく梅が咲き始めている。

この間、妻は1週間の休みを取り、ゆっくりできたのはよかった。職場の友人と、銀座散策の一日もあったらしい。銀座の、”鯛茶漬けの店”あさみがよかったとのこと。特製の弁当ランチは要予約で2500円〜3500円するらしいが、その日食したのは1500円の鯛茶漬け、これがなかなか絶品らしい。こんど夫婦でいってみるかな。そういえば、齢50をすぎたので映画だって夫婦で安く観られるのだし。

料理系のブログで、地元にすんでおられる、メルシャン「本搾りチューハイ」のファンをみつけ、こころから共感。彼女があわせてお薦めする”ギュギュッと搾ったフルーツのお酒”シリーズから、白桃ヴァージョンを買ってみた@駅前横山酒店。まるで不二家の懐かしいネクターのように、果肉たっぷりの桃果汁のはいったお酒も、なるほどイケル。ちょっとおおげさかもしれないが、まがい物が我が物顔に闊歩する雑な時代にあって、これだけの商品を世に問うメルシャンとは、なかなかすばらしい企業ではないかとおもう。

日が翳りゆくように、わたしのなかの美しいおんなへの興味も徐々にうせ、いまや『剣客商売』と、チュウハイくらいしか生きる望みはないのだった。

『世界名詩集大成 イギリス編1』(平凡社、300円)@吉祥寺りぶる・りべろ。

2月7日(水) 晴れ

NHK教育の番組でも人気の大西泰斗教授の講演会に参加。ま、パフォーマンスは上手で教師としてはなかなかだとおもうが、学者としての見識はどうであろうか。別途検証したい。

 

2月4日(日) 晴れ

職場で借りてきたNHK特集『インドの衝撃』第1回のDVDは私にとってはベストタイミングだった。門倉貴史『インド人はなぜゼロを見つけられたか』は数学史の本ではなく、気鋭のエコノミストが書いた最新インド事情の本だが、これやら『インド世界を読む』(店頭になく、探索中)とあわせて、IT立国にかけるインドのことを詳しく知りたいとおもっていた矢先だったので。同時に着手しはじめたウィーナー伝の序章には、晩年の彼がインドに赴き、今のIT立国の礎を確立する手助けをしたとある。IIT(インド工科大)の設立に際してなんらかの助言をおこなったのか?ちょっと気になる。ともかくも、先年買ったものの熟読していない星野力『甦るチューリング』(NTT出版)とあわせて、情報理論への関心が再燃しているところである。

※沖縄ご出身のへろさんのHP「小説とコミックの部屋」をリンク集に加えました。


今日も仕事。朝の日差しを楽しんだ後、職場に向かう。道すがら、上石神井のせきぶん堂にて、池波正太郎『剣客商売 待ち伏せ』『剣客商売 春の嵐』『剣客商売 勝負』『池波正太郎の銀座日記(全)』(すべて新潮文庫、1300円)を買い求める。これらの巻は十年ほど前、軽装版の単行本(中一弥の挿絵つき)で買い求めているのだが、これがまた、家のどこにあるのか、所在がわからん。ま、文庫で持っておくのも良かろうと、まるでかの未読王さんのような鷹揚さで買っておくのだった。

剣客商売への傾注は、昨年の寅さんと同じく、冬に追い詰められた我が生の、せめてもの抵抗である。今朝、CS時代劇専門チャネルでみた1973年版の剣客商売(山形勲+加藤剛)は、なかなかよかった。


ブクステフーデ『オルガン名曲集 2』を、amazonで買っておいた。1368円。お急ぎ便オプションつきなのでこれはやすい。今宵の明星があまりにうつくしかったので。

 

2月1日(木) 晴れ

フロー・コンウェイ『情報時代の見えないヒーロー(ノーバート・ウィーナー伝)』 (日経BP社、2940円)はいくつかの書評で評判がよい。ウィーナー再挑戦。門倉貴史『インド人はなぜゼロを見つけられたか』(小学館文庫、500円)は最新インド事情。以上をamazonに注文。

久しぶりに覗いた吉祥寺・藤井書店で、『長安の春』(東洋文庫)、『江戸名所図会』(角川書店)の揃い4500円あたりをマークする。気力が戻らぬので買いはしなかったが、近々買うかも。ここの2階は良い本が揃ってます。

 

1月30日(火) 晴れ

センター試験以降の激務にくわえて、トラブルが連発。燎原の火のごとくひろがった混乱で、一時はもうだめかとおもったが(笑)、なんとかもちこたえて今日に至る。

e.s.t. 『Seven Days of Falling』(1500円くらい)は北欧JAZZ。諸星大二郎『自選短編集1&2』(小学館文庫、1276円+税)@吉祥寺啓文堂は、狐氏のお薦め。

帰宅して飲むメルシャン「本搾りチューハイ」と寝床で読む剣客商売がささやかな愉しみ。

1月22日(月) 曇り

センター試験国語第2問の出題は、堀江敏幸さんの「送り火」。世評高い『雪沼とその周辺』のなかの短編。なにせ50万人近い受験生が読むんだからね、これを契機に堀江さんを読もうという人も増えるだろう。 井上究一郎『ガリマールの家』@Amazonは、狐さんお薦めの本。

1月20日(土) 曇り

吉祥寺の啓文堂で、平積みになっている新書の新刊から、山村修『書評家<狐>の読書遺産』(文春新書、777円)をみつけ、即座に買う。2003年夏から約3年かけて文学界に連載された書評を集めた本。中野翠が解説を寄せている。

1月19日(金) 晴れ

岩波文庫の新刊 ホルクハイマー&アドルノの『啓蒙の弁証法』には取り組んでみるかな。あとは、『インド世界を読む』、熊襲さんお薦めの新潮新書・加藤徹『貝と羊の中国人』あたりが目下の購入予定書目。

歳のせいか、大書店の広い店内を探す気力が失せている。書棚のどこにあるか、ぱっと検索できる端末があれば、ほんとに便利なんだが。

1月18日(木) 曇り

右を向いても左をみても仕事山積み。ため息つきながらとりくんでいる。

哲学書房創業者の中野幹隆氏が63歳の若さで亡くなった。かの「パイデイア」(竹内書店)、「現代思想」「エピステーメー」(朝日出版社)の編集長を歴任した伝説の編集者。

1月14日(日) 晴れ

富士見台で中国人夫婦が営む中華料理「天元」にて、夫婦で夕食。お一人1765円のコース料理を注文。

無線LANようやく開通。KさんとこのオフィスもノートPCは無線に切り替えようか。回線のスピードアップもふくめてこの2月にでも。

明日からまた熾烈な仕事になる。課題山積。ひとつひとつ片付けよう。

1月13日(土) 晴れ

Chick Corea『My Spanish Heart』( 1647円)@Amazon、大塚久雄『社会科学の方法』(岩波新書、300円)@荻窪BookOff。

長男がツタヤで井上陽水のベストアルバムを借りてきた。あの『白い一日』は、歌詞こそ小椋佳だけど作曲は陽水だったんだね。

『剣客商売』がすっかり枕頭の書となった。物語の緩急のつけぐあいが、「まことにもって絶妙」 なのである。

昨日は研修会で渋谷直行。東急プラザ前の歩道橋を渡って、桜丘町界隈を歩くのは、実に29年ぶり。当時は瀟洒なマンションの並ぶあたりをすこし先にゆくと、古い日本家屋が散在していて、時代に取り残されたような風情があった。そこに上京したばかりの弟の下宿があって、よく訪ねていったものだ。終電を逃して、テクテクと中目黒まで歩いた宵も何度かあった。

そんな桜丘町に、「東急セルリアンタワー」という豪奢なホテルが建とうとは当時夢にもおもわなかった。そこが昨日の会場。会の前後、むかし歩いた界隈をすこし散策して、往時を偲んだ。ヤマハのスタジオは健在だったが、そこに向かうやや急な坂の途中にあった喫茶店は、もうなかった。(何回かここで極上の珈琲を飲んだおぼえがある。) 無理もない、30年の歳月が、いつのまにか流れてしまったのである。

1月8日(月) 晴れ

終日、自宅でデータ分析の仕事。

1月7日(日) 晴れ

昨日の陰惨な雨があがって雲ひとつない日本晴れ。年末年始の厄介な仕事は大方一段落し、次の大波の準備や各種分析資料・入試情報の整備を図る3連休である。

昨夜、早めに帰宅して観た陽水のライブ(NHKhi)。いくつかの曲が心に沁みた。

・・・ どんなにきれいな花も いつかはしおれてしまう それでも私の胸に いつまでも 白いカーネーション (「白いカーネーション」LPセンチメンタル1972年所収)

初期の素朴な小曲だが、58歳になる陽水がうたうと哀愁がきわまる。

・・・声よ 夜の空に /星に届く様に 声よ /変らぬ言葉とこの胸が/はるかな君のもとへ 届く様に (「招待状のないショー」1976年)

竹田青嗣がかつて見事に掬い上げた陽水の「ロマン主義的挫折」。定年を前にした団塊の世代で、自身はどこか隠遁者のかげのある陽水が歌うのも、また良いではないか。滔々と流れているんだね、この心情が。あの黒いサングラスの陰で。俺もあんなサングラスをかけて初老の不良よろしく巷をあるいてみたい(笑)

それにしても書棚にあった陽水の歌詞集『ラインダンス』(新潮文庫、1982年)。なにかと便利な一冊だ。

※日経書評でチェックした本 岡本幸治『インド世界を読む』(創成社新書、800円)、鈴木ひとみ『紐育 ニューヨーク』(集英社新書、660円)

『剣客商売』を再読する夜々。第2巻に入った。

これから隣駅富士見台の食堂探検にでかけてこよう。


夫婦なかよく隣町探検。中国人の夫婦が仲良く切り盛りしている中華料理『天元』でランチ。3時ごろより突風が吹き荒れた。

1月3日(水) 晴れ・曇り

昨晩、鎌倉から家族が順番に帰宅して、やっと正月らしい気分になった。Iさん、Kさん他の皆様から年賀状を頂く。

SOHOよろしく自宅で仕事をとおもったが捗らず。当たり前か。

やはりBlogなのかなあ、最近ブックマークに加わるのは、地元ネタの料理や写真のブログばかり。しかし、どうもブログはサービスdependentみたいでためらいがある。

紅白の視聴率が不評だ。しかしだ、大晦日の森進一は「おふくろさん」を歌ったようで、これは聴いてみたかった。歌詞を書いたのは川内康範。日本浪曼派の文脈で時折姿をみせる謎の人物である。Amazon書誌 中河与一の老いらくの恋の結婚式にも参列してたりね。この

「おふくろさん」は昭和46年ごろの紅白で、聴いた覚えがある。まだ父が存命だった。郷里の実家で。ただそれだけで懐かしい。

あの当時の、田舎といえば、NHK総合と教育、民放2チャンネルくらいしかTVはなかった。BSアナログもデジタルもない。スカパーの迷宮めく多チャンネル群なんて想像もつかなかった。しかも、映像を保存したり鑑賞する方法も、まったくなかった。DVD/HDDレコーダはもちろん、DVDプレーヤーも、いやそれ以前に、ビデオレコーダーもこの世に存在しなかったわけだ。(VHS/βの普及は昭和50年代半ば以降)

してみると、紅白の視聴率の凋落なんてあたりまえのことで、むしろ相当健闘しているような気もするのだが、どうでしょう。

1月2日(火) 

元旦の仕事なんてはかどるはずもない。『剣客商売』第一巻を再読しながらチューハイ飲んで、昼寝して目覚めてみれば真っ暗闇。のこのこと起き上がって、近くのコンビニに酒とタバコを補充にゆく。近所のbookOffが開いているのはうれしい。篠原資明『ベルグソン』(岩波新書、105円)、森永卓郎『年収300万円時代を生き抜く経済学』(光文社、105円)。今、パラパラとめくると、『ベルグソン』には稲垣足穂への言及が随所にある。溜飲を下げるというか、新年早々なんとなくうれしい。泉下のタルホ翁もちょっと喜ぶかも。そういえば、今年は中原中也の生誕100年とのことで、日経元旦の文化特集で見開きの特集でしたね >Mさん。わが旧友Awaya君が高1の夏に、当時(1972年)存命だった中也の母に会いにいった話は前書いた。森永卓郎というひとは、格差社会是認論者を向こうにまわして堂々たる論陣をはっているようで、最近ちょっと注目している。

この篠原資明さんは京大出身の哲学者で、私には気になる存在になった。いやあ、買ってよかったなあ、元旦夜のBookOffで新書の棚をチェックして。やっぱりことしも細々とながら本を買おうとおもったことだ。このかたの本をAmazonでチェックしているうちに、ついつい EL&Pの『タルカス』(1420円)と、飯島勲『小泉官邸秘録』(日本経済新聞社、1890円)を衝動買い。ギフト券で清算し、お急ぎ便オプション(331円)を加えて、しめて2157円。

※EL&Pだが、若いころLPで初期の5作は全部持ってたのに、金に困ってあらかた売却。光が丘西武の中古レコード市でNo4を買いなおしたのは子どもの小さい頃だから十年前。最近No1のCDをAmazonで買いなおしたので、今回のNo2のCD購入とあわせて、{1.2,3,4,5}={CD,CD,LP,LP,なし}という状態になった。

 

1月1日(月) 晴れ 謹賀新年

歳とるごとに、体力・気力の衰えを意識せざるを得ない。去年あたりから、とくにそうだ。この衰微に抗するためには、健康を保つ努力をするとともに、ひたすら、知力というか、生産性を上げねばならない。あるいは革新的なテクノロジなり手法を開発せねばならない。なかなかにしんどいことである。

「いつまでも雑誌の編集者を続けるわけにはいかない。物書きになる修練をしておくか、組織の管理者をめざすか、どっちかだよ」(中略)年齢をとり、処を得ず、不遇をかこつ編集者を見るのは、傍目にもつらいのである。」(大村彦次郎『文壇うたかた物語』 283頁)。業種こそ違え、コンテンツメイキングということでは私も似通うところで、耳が痛い。

おなじく、

「叔母は最後に、ちょっとした知恵を授けてくれた。いくら頭が良くても、行動的でも、エネルギーに満ちあふれていても、自分は一人しかいない。ものすごく成功したいのなら、世界に働きかける力を何倍にもしなくちゃならない (中略) 大勢の人間を動かして、自分の才能と能力を何倍にもして、世界中に行き届かせなさい。」( Mike Gancarz『UNIX という考え方』(オーム社)68頁)

これは、マネジメントという観点のみならず、加えてオープンソースという理念の提示なのである。教育におけるオープンソースや、CRMの可能性について、歳末ぼちぼち考えているところだ。

一方、次のようなアプローチもある。

「グーグルの、「優秀な人間が、泥仕事を厭わず、自分で手を動かす」という企業文化は、情報発電所構築においてグーグルが競争優位を維持し得る源泉の一つである」(梅田望夫『ウェブ進化論』)

この前後の文の、Google企業文化紹介はなかなか面白いが、今は省く。結局、惹かれるのは、こうした、

「すべての哲学者は労働者であった」(ニーチェ)とか、「雲を建設することはできない。そのように、夢見られた未来になどなんの意味もないのだ」(ニーチェ)

といった断定あたりに、いまのじぶんの自尊はあるのだった。(Excel VBAを今年こそマスターしよう。)


元旦のあさから、ケータイがなったりして、なにかと気ぜわしい。鎌倉行きは億劫になり、妻をふって、正月一人住まいと決め込んだ。これでこころおきなく仕事ができる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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