10月31日(火) 晴れ

旧友のI君(旧姓F君)が、昨日の日経朝刊に写真つきの特集記事に登場していると、Kさんが教えてくれた。外資金融界の雄のひとりとして。

いっぽう私はというと、夕方になると、もう「欲も得もない」というほど疲れてしまう。雑用山積する机に向かい、「日暮れて途遠し」なんてしみじみ嘆息したりする。

大村彦次郎『文士のいる風景』は寝床で読むのに最適の1冊だ。短い文で、よく作家の生涯の陰影を書き分けている。

変な感想かもしれないが、作家といえども、結局「健康」を保つのが大事なんだと、思う。生活改善、これは私にとっても今後のテーマだろう。

大村彦次郎『ある文藝編集者の一生』(筑摩書房、497+340円)をAmazon注文。

ま、来月もなんとかかんとかやっていこう。

妻の誕生日に、長男がユリの花束を買ってきたのはちょっとうれしかった。

10月29日(日) 曇り

金曜:仕事が一段落したので、珍しく早く退社。9時前には自宅についたが、次男の観始めた『デス・ノート』を夫婦でつられて観てしまった。

土曜:寝不足気味。駅前三省堂で文庫・新書の新刊を立ち読み。昼食は、家族3人で谷原の「うなぎん」。うな重ランチ900円×3。昼寝。松浦寿輝のエッセイ集、東海林さだお、「複素関数」などを拾い読む。

日曜:ウェブで提供しているTOEICサイトにアクセスできないというユーザーのクレーム処理で、これから板橋区のお宅に伺う予定。うまく解決するといいのだが。ノートPCももっていこう。

なんだが最近、「欲も得もない(よくもとくもない)・・・ 欲心や利得をまったく考えない。また、欲得を考える余裕がない。 」という心境になってしまった。美しいおんなにも、美味しい料理にも、もうあまりこころを惹かれなくなった。「今わたしが自分の後半生に望むのは、そんな「取り越し苦労といふものが少い」心安い時間の持続だけである」(松浦寿輝「漂着について」)。ビジネス生活って気苦労が多いものねえ。ま、気の持ちようということもあるだろうけど。こういう点で、熊襲さん(Kさん)はたいしたものだと、つくづく思う。


というわけで東武東上線中板橋まででかけてきた。車中読書用に、高野台駅前三省堂で、河合香織『セックス・ボランティア』(新潮文庫、460円)。西武線車中で、なぜか涙があふれてとまらない。中板橋に降り立つと、おお懐かしや、数年前、かねたくさんややっきさんと古本ツアーで訪れた街だった。予定時刻まで、思い出の駅前BookOffを見学。・・・ yahooの地図片手に訪問先をみつけ、休日のサラリーマン氏宅を訪問して1時間。トラブル解決。

気も軽くなって、駅前BookOffで、記念に大村彦次郎『文士のいる風景』(ちくま文庫、450円)を求める。

池袋で、久しぶりに、池袋西武デパートを覗くことにした。4Fまでずっと婦人服売場。5Fに紳士服売場、6Fは、またまた特選婦人服売場とあって、値段のはりそうなバッグ数点を、淡い白熱灯が優雅に照らしている、そんな空間。7Fで紳士服バーゲンセール会場をみつけ、ネクタイ2点を、4200円で買い求める。たまにはデパートも覗くものだと痛感。

地下1Fの書籍館で、熊野純彦『西洋哲学史 古代から中世へ』(岩波新書、861円)。3Fにオープンしたという古書・稀こう書の店「リブロ・ガレリア」をチェック。長年親しまれていた詩の本の店が新コンセプトで新装開店。小宮山書店・夏目書房あたりが出品しているもよう。

10月26日(木) 晴れ

日曜以来、天気が崩れ、仕事の繁忙もあって、何度もタクシー帰宅。散財痛し。昨夜、やっと、職場においてあった自転車で帰宅することができた。

熊野純彦『西洋哲学史』近代編(岩波新書)はなかなかの好著といえよう。

古代編を買おうと思い、吉祥寺のルーエをのぞいた。岩波文庫の棚で新刊にビュヒナー『ヴォイツェク ダントンの死 レンツ』(岩波文庫、800円)を発見し、感動。岩淵達治氏の新訳である。ビュヒナーは、1837年に23歳の若さで病死した、自然科学者・劇作家である。劇作に手を染めたのも資金欲しさのためだったらしく、しかも3週間で一気に書き上げたという。近代の作劇術にまったく知識のない青年が想の向くまま書いた『ダントンの死』は、170年を経た今も刺激にとんでいる。一種の天才であろう。わたしは、今を遡ること30年前、二十歳の頃に、集英社の『ドイツ短編 24』というすぐれたアンソロジーで、未完の短編『狂ってゆくレンツ』を読み、狂気の吹き荒れる凄まじい文体に驚愕した人間で、以来ずっとこの作家のことは気になっていた。訳者による巻末の解説も、ビュヒナー受容の歴史を詳しく書いてあり、読み応えがある。

新刊情報に疎く、かねてからうわさのあった『中公文庫解説総目録 1973〜2006 』(1300円)のでたのにも気がつかなかった。今朝、岡崎武志さんのブログでようやく知った。高梨茂時代の全貌を把握するためにも、これは買わなくちゃね。今日さっそく買おう。

延々と仕事漬けである。

月花や四十九年のむだ歩き  一茶    この句はMさんに教えていただいた。

10月21日(土) 晴れ

朝、近所のBookOff、三省堂、ヤマダ電機を順にめぐる。妻が11月から四谷三丁目の支店に移ることになった。地下鉄の下見をしたいというのでそれにつきあうことにした。行きは、練馬→大江戸線→中野坂上→丸の内線→四谷三丁目。駅近くのサイゼリヤでランチ。隣の本屋で、熊野純彦の『西洋哲学史』古代編(岩波新書)を手に取るが、見送ることにする。車中では、近代編を拾い読み。

新宿御苑まで歩いて、ひろい公園のなかを散策。熱帯植物園。写真数葉撮影。

帰りは、新宿御苑→丸の内線→四谷→南北線→市ヶ谷→有楽町線というルートで帰宅。チュウハイ3缶、鍋物。歩きつかれたのか、早く眠り、めずらしく熟睡した。

10月19日(木) 晴れ

NHK連続テレビ小説は田辺聖子原作の『芋たこなんきん』。ついつい観てしまう。

10月17日(火) 曇り

昨夜は荻窪分室から自転車で帰宅。11時前。岩波理工系の数学コース『フーリエ解析』をパラパラめくって眠る。

10月15日(日) 晴れ

仕事のほうは小康状態とでもいうのか、やるべきことは山積しているのだが、ひとまずお休みというところ。

金曜:吉祥寺りぶる・りべろで、『こころ』(角川文庫、160円)を買う。長男のために。長男がいうには、武者小路実篤は『こころ』のアンチテーゼとして『友情』を書いたそうな。それとは別に、親父のほうは、『こころ』→『ノルウエーの森』といった論考に最近接したた覚えがある。つまり、長男にとっては、先に読んだ村上春樹や『友情』の源流として、漱石が気になっているらしい。

その長男が、親父の書棚から本を持ち出す。先だっても、『真理先生』があるかどうか尋ねてきたので、書棚の奥から古ぼけた新潮文庫を探し出して与えた。高校2年の晩秋ごろ読んだ本で、約33年間経過している。初読以降、読み返した覚えはない。1週間ほどたって、息子のベッドの脇の新潮文庫をぱらりとめくると、なにやら鉛筆で傍線をひいた箇所がある。まあ、親父が持っていたって、死ぬまで再読するはずもない古い文庫だ。それもまたいいじゃないかと、妙に寛大になって、パラパラめくっていると、赤い万年筆で傍線を引いた数箇所に気づいた。なんと、親父も、この文庫本に、昔々、感動して線を引いては読んでいたらしい。稚気愛すべし。ボンクラ親子二代の読書なのであった。

土曜:早朝に目が覚め、昼過ぎまで寝不足で調子が悪い。チュウハイのんで、昼寝をした。夕方まで眠り、さて仕事でもするかと、PCに向かうが、起動しない。このトラブルで、日曜の朝まで、丸半日がつぶれた。駅前三省堂で、熊野純彦『西洋哲学史 近代から現代へ』(岩波新書、861円)を買い、寝床で通読。五十代は満を持して哲学へ向かうか?

日曜:PCのトラブルはひょんなことで解決した。どうもUSB2.0のカードリーダーが起動を邪魔していたみたい。ようわからんが、一安心し、念のため外付HDDに主要フォルダのバックアップをとった。それから光が丘公園にサイクリング。熱帯植物園他で写真十枚ほど撮影。『特選街 デジタル放送&ハイビジョン丸わかり』(590円)

10月10日(火) 晴れ

連休中は良いお天気でしたね。風も清涼で、夜はお月様も綺麗でした。

日・月と、仕事。特に面白いこともありません。

日曜日:朝、石神井公園草思堂で、高見順『敗戦日記』『終戦日記』(文春文庫、450円)をみつけた。続編は探していた本。夕、荻窪経由で帰宅の道すがら、ささま書店詣で。ハウフ『隊商』(岩波文庫、105円)※だぶり、石丸静雄訳『シュトルム詩集』(旺文社文庫、105円)のみ買う。この日、妻が私のデジカメ(A200)を持って長男の文化祭の撮影(公務)にいっていたので、岩森書店横のカメラ屋で、CD-R10枚組(700円)を買っておく。帰宅後、数十枚の写真を多少補正し、インデックス印刷をつけて、CDに焼いた。

月曜日:吉祥寺の啓文堂で、『不完全性定理』を手に取る。Jewさんご指摘の通り、わたしには猫に小判状態で、とりあえず見送り。帰宅は10時過ぎ。

キヤノンの販売するアンチ・ウイルス『NOD32』。試用版をインストールしてみましたが、あまりの軽さに感激。今までずっとノートン博士の信者でしたが、順次乗り換えを決めました。

 

10月7日(土) 晴れ

昨夜までの風雨がうそのように、秋晴れの青い空がひろがった。風が強い。そのせいか、空気も透き通って、木々の陰影が鮮やかだ。

疲れた。昨夜は11時に荻窪駅前でタクシーを拾って帰った。2180円。

朝ふたたび、『ランドリー』(森淳一監督、窪塚洋介、小雪主演) を早送りしながらひろい観る。まるでヘリコプター撮影したかのような、不思議なカメラワークの、映像詩のような間奏映像にこころひかれる。窪塚洋介も小雪も良い。音楽の渡辺善太郎が良い。主題歌をうたったatamiがいい。

もうわたしには野心はなくなった。仕事でも、趣味の世界でも。ユリイカ増刊『稲垣足穂』で、新しい世代の気鋭の論考を読んだりすると、いささか気後れもする。

マーラーの歌曲めいて、「わたしはこの世に忘れられ・・・」と、ひっそり歌っていたい気分だ。厭世。ときおりふとむかしの官能の思い出が甦る。

今日は休もう。

今月は、模試の処理が、あと4つも残っている。11月初めにも2つ・・・。

『ニュー・シネマ・パラダイス 完全オリジナル版 スペシャル・エディション』 1953円@Amazon。

10月5日(木) 曇り

やっとユリイカ臨時増刊『稲垣足穂』(青土社、2200円)を買うきもちのゆとりが生まれた。吉祥寺ルーエで購入。遅く帰宅して、寝床で1時ごろまで読む。加藤郁乎・松山俊太郎・渡辺一考(「ですぺら」主人)の鼎談他、もりだくさんの内容がうれしい。 装丁は羽多良平吉、本文写真(1975年頃のタルホ)は佐々木光、そして特別インタビューに松岡正剛と、なぜか雑誌「遊」のカラーが濃厚である。 その松岡正剛さんは、求龍堂からあの『千夜千冊』を10月に刊行するらしい。http://www.kyuryudo.co.jp/Senya-Sensatsu/flame.htm しかし揃い十万円近くもするのはちょっと。

一方、岡崎さんのブログによれば、みすずの大人の本棚の新刊は、小山清『小さな町』。堀江敏幸さんが解説を書いているそうだ。2730円。

日経夕刊の書評コラムでは、ベストセラー野口嘉則『鏡の法則』。読んだ人の9割が泣いた、という帯のせいもあってうれているという。

 

・・・疲労が深い。今日も、ファイト一発、リポビタンのんでがんばろう。

10月4日(水) 曇り

先週からずっと関わってきた仕事がひとまず3つ峠を越えて、少し重圧から解放された。徹夜で処理にあたってくれた荻窪Sさんに感謝。

月曜の夜はタクシー帰宅。翌朝は早く自宅をでて自転車で荻窪へ直行。仕事を片付けて、荻窪から吉祥寺へ自転車で移動。道すがら、西荻窪音羽館の店頭を軽くチェック。

ときどき、私は、古本エッセイの岡崎武志さんと、行動範囲が重なる。岡崎さんの昨日のブログを読むと、この西荻窪でニアミスしていたかもしれないと思い、すこし楽しい気分になる。

 

10月2日(月) 

明け方、寒くて目が覚める。眠りが浅い。こんな調子で、今日は夜更けまで仕事だ。老骨に鞭打って。つらいつらい。

10月1日(日) 曇り

週末も仕事モードだ。昨日は職場に出向いたものの、週末のオフィスにかかってくる電話の担当者はみな不在。適当な回答でお茶を濁すわけにもいかず、閉口した。外付け250GBのHDDなどの機材にデータをつめこみ、書類一式、参考書をかかえて逃げ出し。自宅でつづきをやろうともくろんだが、家に帰り着くと疲れてバタンキュー。久しぶりに熟睡した。

というわけで、今日はまた仕事が山積み。追い込まれていよいよ燃えるモーツアルトのような心境。今日は神田にも用があるので、ダブルで忙しい。

DVD-RW 5枚セット 1680円@ヤマダ電機。DVD-R -RW -RAM +R +RW と5種類もメディアがあるのか。しかも加えて、次世代の記録方式が複数登場している。移行期ですね。

ユリイカ増刊稲垣足穂、岩波文庫の新刊ゲーデル『不完全性定理』 あたりが購入予定書目。


午前は神田のKさんオフィス。本数冊を頂戴する。委細は後日に。午後は自宅で延々と仕事。

 

 

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