11月26日(土) 

昼食は妻とふたりで石神井公園の天や。安くて美味なり。二古書店を巡るが感興をもよおす本なし。石神井公園から御茶ノ水に出る。神田古書街散策。のちKさんのオフィスに赴く。ぱったりとKさんとでくわす。夏以来の再会をビールで祝す。Kさんはこのところ歴史・文芸などの浩瀚な読書家なり。週末は奥多摩の山中に籠もって浩然の気を養う日々とか。うらやましい限り。

◆石川淳『夷齋小識』(中公文庫,80円),『キーツ書簡集』(岩波文庫,100円),バイロン『海賊』(岩波文庫,100円),『ハウルの動く城 主題歌世界の約束』(谷川俊太郎詩,倍賞千恵子歌)(840円)。Kさんよりトロツキー『わが生涯』(上・下)(岩波文庫)を譲っていただく。

◆『男はつらいよ 奮闘編』(昭和47年,榊原るみ)

11月23日(水) 晴 夜にひそむやさしさ (「世界の約束」より)

家で仕事。宮崎駿『ハウルの動く城』,『男はつらいよ 寅次郎純情詩集』を借りて観る。奇しくも両方とも倍賞千恵子の出演作。『ハウル』の終章,仇敵の魔女(三輪明宏)もうちそろってのうららかなハッピイエンドで流れる,倍賞千恵子の歌う主題歌が素晴らしい。歌詞は谷川俊太郎というのもいい。ああ,妹の力。このところ,なんと多くの生きるちからと分別を,倍賞千恵子演じるさくらから得てきたことよ。げに倍賞千恵子偉大なり。

11月20日(日) 

内憂外患。いろんな憂い・煩いが山積してる。そんなとき,Mさんからのメールをいただく。Mさんはもっと大変そうだ。我々の世代のつらい時期なんだなあ。せめてもの慰めに,この日は早く寝て,よく眠った。

だからねえ,28年前の古い寅さんを観て(これも昔名画座で観たんだが),ああ大竹しのぶも中村雅俊も若かったなあ,と。純朴で不器用な恋愛模様に,昔のことを思い出して涙したりするんであります。

職場に残務整理の道すがら,例によって荻窪行。ささま書店で,神西清『灰色の眼の女』(中央公論社,840円)は安いと思ったが,ちょっとした気乗りがせずにパス。のち後悔。西荻窪にわとり文庫にて村上春樹『うずまき猫のみつけかた』(新潮社,840円),音羽館にてヘルダーリン『ヒュペーリオン』(岩波文庫,100円)を買う。

11月19日(土) 快晴

よく晴れた晩秋の朝。シリーズ第一作『男はつらいよ』(昭和44年)を観る。川本三郎監修の『寅さん完全最終本』(小学館,3990円)を衝動買いしたあとで後悔。先の『パーフェクトガイド』とあわせて5500円も投資してしまった。

夜は夜で,『男はつらいよ 寅次郎頑張れ』(昭和52年,中村雅俊・大竹しのぶ),『男はつらいよ 望郷編』(昭和45年)を観る。

11月16日(水) 晴れ

小山清『日日の麺麭 風貌』(講談社文芸文庫,1470円)は無事吉祥寺で手に入れた。読書系ブログのお陰です。

いっぽう,川本三郎さんの新刊『旅先でビール』(潮出版社)のことはかねたくさんのHPで教えていただいたので,これもどこかで買おうと思う。川本三郎さんが監修した『寅さん完全最終本 小学館DVD BOOK』(小学館,3990円)があることは,今朝岡崎武志さんのブログで教えていただいた。付録のDVDには全48話の予告編すべてが収められている由。触手が伸びるががまんして,今朝は,『男はつらいよ パーフェクト・ガイド 寅次郎 全部見せます』(NHK出版,1680円)を注文しておいた。

 

11月13日(日) 晴れ

読書系ブログをあちこち読んでいるうちに,講談社文芸文庫の今月の新刊,小山清『日日の麺麭 風貌』(1470円)が発売されてるのを知った。残務整理に赴くついでに,上石神井や西荻窪の今野書店で探すが,ない。今野書店の親切なお嬢さんによれば,新刊にも関わらず入荷されなかったので,いま発注をかけているとのこと。(小林信彦の新刊は通常通り入荷されている) よほど印刷部数が少ないのかも。明日はしっかり吉祥寺で手に入れよう。

西荻窪のにわとり文庫で,村上春樹『雨天炎天』(新潮社,1050円)。ギリシャとトルコの辺境をめぐる旅行記。おなじく西荻窪の花鳥風月で,岩川隆『多くを語らず 生きている戦犯』(中公文庫,50円)。

帰宅して,ツタヤで借りてきた『男はつらいよ 柴又慕情』(昭和47年)を観る。ささくれたこころがほぐれる思い。笑って泣いて。

※文化庁文化部長の寺脇研氏のHPを発見。http://members.jcom.home.ne.jp/mutumituko/k-top.htm やはり映画評論家の寺脇氏=文部官僚であった。長年の個人的な謎が氷解。

11月12日(土) 雨のち晴れ

目覚めたときは沈うつな雨が降っていたが,天気予報どおりあれよあれよという間に晴れわたった青空が広がった。わが愛猫は,ベランダで,刻一刻と変わる空を眺めては,こころゆくまで晩秋の気配を愉しんでいる。猫は,今日という一日を静かに愉しんで,そして忘れてゆくのだろう。うらみも妬みも憎しみもない,すきとおった高貴な生活。

11月11日(金) 曇り

元同僚のSさんが先月の25日に急死していたことを知った。48歳の若さだった。 体調の不調を訴えて都内の病院に入院,数日後そのまま還らぬひととなった。数年前に退職された後も時々下北沢でお会いして,大学事情諸般をなにかとご教示いただいていた。最後にお会いしたのは今年の夏,吉祥寺のとある店でぱったりとお会いしたときだった。そのときも,職場に戻ってきたらいいのにと,これは本気で口説いたのだけど,甲斐がなかった。もし,その気になってくれて,とんとん拍子で話が進んでいたら・・・あるいは運命の好転があったかもしれない。いまさら悔やんでもしかたがないけど。 若すぎる死と果たされなかった志をおもって,ここに謹んでご冥福をお祈りします。

11月6日(日) 曇りのち雨

職場に残務整理に向かう道すがら,例によって,荻窪・西荻窪・吉祥寺・上石神井と,都合10店ほどの古本屋を巡った。小林信彦『おかしな男渥美清』(新潮文庫,400円),今日出海『私の人物案内』(中公文庫,500円),S・キング『第四解剖室』(新潮文庫,370円)を買う。ささまで見送った川上一郎『理工系の数学入門 数値計算』(岩波書店,1125円)をAmazonで衝動買い。今日見送った本のなかでは,村上春樹のギリシャ・トルコ紀行(標題失念)@にわとり文庫(西荻窪)1100円が気になる。近々再訪しよう。

11月5日(土) 晴れ

NHKのBSで,『男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け』(1976年)を観る。磊落さと繊細さをあわせもった天才画家役の宇野重吉がとくにいい。マドンナ役の大地喜和子をはじめとして鬼籍に入った役者の多いことよ。それだけの月日が流れたということか。久世光彦の言に倣っていえば,『男はつらいよ』が懐かしいのではない,それを三鷹の名画座で観ていた30年前の自分が懐かしいのだ。観終わってのち,ちかくのコンビニまで長男とふたりで自転車で川沿いを走りながら,息子に話をしたことだが,当時,「父さんも・・・」,「上京はしたものの,広大な東京に飲み込まれて,寄る辺ない,貧しい,さびしい青年だったんだよ」。所詮はなにをやってもダメポの主人公に,涙したり笑ったり。それから幾星霜か,いまは多忙に精神をやや病んで,たいして進歩も前進もない,自分がいるだけなんだが。

三省堂で,草森紳一の新刊『本が崩れる』や『下層社会』(ともにうろ覚え)を立ち読み。

妻は,小学以来の友人といっしょに福島県の英国村に泊まりにいった。夕食は,ふたりの息子といっしょに,親父の作ったハウスバーモントカレー。

11月2日(水) 晴れ

藤井書店で,中野重治の書簡集『愛しき者へ』(上・下)(中公文庫,600円)。これはIさんへの贈呈用,もしお持ちじゃなければ。キース・ジャレット『星影のステラ』(1500円)@Amazon。

先日のことだが,テレビやケータイに邪魔されている自分につくづく愛想がつき,酒を飲んだ勢いで古いケータイを握りつぶしてしまった。自分としては短気な振る舞いだ。ケータイなしでは世過ぎのできぬ自分であるから,数日後,吉祥寺の店で,携帯を買い換えた。東芝のV603T。いまどきのケータイは進んでるのね。カメラはもちろんTVやFM放送,2次元バーコードまで。浦島太郎になった気分。

Amazonの書籍内全文検索が始まった。本家USAでは,本文の頁単位の切り売りも始まったらしい。GoogleやMicrosoftの書籍アーカイヴのビジネス化の動向を日経が伝えている。

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