8月30日(火) 晴れ

台風一過,ようやく秋めいてきました。

小林貞作『ゴマの来た道』(岩波新書,150円)。ゴマ研究の第一人者(国連FAO世界ゴマ開発会議日本代表委員,刊行当時)による,ゴマの伝播の歴史・植物誌・文化誌。食物化学。いや,ほんとに素晴らしい本です。新書一冊にこれだけの内容。さすが岩波新書黄版。「開けゴマ」の呪文は単なるゴロあわせではありません。ラスキンは何故『胡麻と百合』を書いたか?

柴田英寿『会社というおかしな場所で生きる術』(実業之日本社,829円)着。このひとの近刊には,『お先に失礼する技術』なんてのもありまして,先日啓文堂で立ち読みして著者に興味を持ちました。実はこのひと大変なマルチタレント振りを発揮している才人でして,そこらへんを知らずに単なる鬱憤晴らしにこの著者の本を手にすると後悔します。

仕事は相変わらず山積。模試の処理ふたつ。予算資料。研修会分析資料。

8月26日(金) 晴れ 電車男とドラゴン桜

昨晩は「電車男」,今晩は「ドラゴン桜」,次男の見るTVドラマをつられて家族皆で観る。電車男では話題の伊藤美咲をチェック。オタクを絵に描いたようなオトコの,純愛譚。なぜか目頭が熱くなる。「ドラゴン桜」,なんで東大受験がドラマになるのか?理解に苦しむ。あまりにクサ〜イドラマなのだが,次男長男あっけにとられて食い入るようにTVを観るのはどうしたわけか。今晩,S毎日の座談会で,S台やK塾の先生もぼやいておられたが,なんでも特に関西地区で東大志願者がマジに増えているそうな,このマンガ&ドラマのせいで。

ま,そんな電車男やドラゴン桜の。いや,ところが,11:00まえの,東大本郷のロケ敢行には驚いた。東大構内のロケは独立行政法人化ののちの今ももちろん容易なことではない。このロケ敢行にはおどろいた。だれか強力な仕掛け人がいるのか?

8月24日(水) 曇り

台風が近づいているせいか天気が悪い。雨の日も,残暑厳しい晴れの日も自転車通勤。疲労が深い。2つの模試・経理処理・S毎日座談会(金曜)・別の分析業務など,仕事が山積。割り込みの雑用が多く,ちっともはかどらない。このままでは心身疲弊するばかり。

板橋にあるFX社の印刷工場をEさんいっしょに見学。柴田英寿『会社というおかしな場所で生きる術―「使われる」サラリーマンから「使いこなす」サラリーマンへ』(実業之日本社,829円)注文。BOSEのスピーカー125(40500円)注文。

8月20日(土) 晴れ

昨日。早稲田大学にでかけた。高田馬場駅そばのマックで昼食。駅前に正門行きのバスがあるのでそれに乗った。日本テスト学会第3回大会の公開シンポジウム。なぜか若い女性も多い。”e-learningの高度化とテスト理論”。2時間かそこらのシンポジウムではその全容はもちろん披瀝されない。ただ,最新の動向は理解できたし,いくつか個別の収穫もあった。『第3回発表論文抄録集』(3000円),『第2回発表論文抄録集』(1000円)を購入。

せっかく早稲田にきたのだから古書店に寄っていこうと,帰りは大学から高田馬場までテクテク歩いた。暑い。8月下旬特有の澄んだギラギラした日差しに炒られるようだ。文英堂書店。稲垣足穂・オブジェマガジン遊・吉田一穂あたりが充実している。25年来の一貫したポリシーに感動。遊・2は1800円。先刻論文集に大金をつぎこんだのでなにも買わず。次に日本文学のコレクションが整然とならぶお店。名前失念したが,ここも25年来のなじみの店。一貫した蒐集ぶりに舌を巻く。

電車でぽつんと坐った老婦人に,ふと寄る辺ない淋しさを感じる。私と私の家族のことを思って,みなが寄る辺ないのだと。

8月19日(金) 晴れ

吉田満『戦艦大和』(角川文庫,70円),ラスキン『建築の七燈』(岩波文庫,300円),モンテスキュー『ローマ人盛衰原因論』(岩波文庫,200円)@藤井。陳舜臣『美味方丈記』(中公文庫,105円)@BookOff。足早に,阿川弘之を読む。山本五十六提督の遭難機を発見するまでの珍道中をややファンタジックに書いている。吉田満の『戦艦大和の最期』了。ご令息吉田望氏のブログ発見。http://www.nozomu.net/journal/000125.php 

今日はこれから早稲田大学で開催される日本テスト学会の第3回大会にでかけてこよう。なかなかスリリングな発表が目白押しだ。

仕事のほうは夏バテ状態。キレがわるい。長男はiPod miniや,オーディオアクセサリーを買い込んで,いそいそとオーディオを楽しんでる。いつかの親父と同じ。

8月16日(火) 

昨晩の夕立はもの凄かった。職場のまえでしばらく同僚と様子見したがやむ気配もない。ままとよビニール傘片手で自転車に乗ったが,すぐさま後悔した。折からの雷は近所?にバンバン落ちているようだし,雨はいよいよ激しい。青梅街道の一部など冠水してる有様。なんどか雨宿りしながらほうほうの体で帰宅したが,とうぜんずぶ濡れ。この日,藤井書店でせっかくみつけた阿川弘之『山本元帥!阿川大尉が参りました』(中公文庫,80円),J.G.バラード『第三次世界大戦秘史』(福武文庫,300円)も水に濡れて無残なありさま。

8月14日(日) 晴れ

激しい夕立やカンカン照りを交互に繰り返し,やがて少しずつ秋らしくなってゆくのだろう。

ノートPCも買ったことだし,いっそ自宅を無線LANにしようと,NECの無線LANルータWR7800H-TUを買ってみた。ヤマダでポイント清算したところ,定価よりはるかに安い11000ポイント程度で良いと店員がいう。何故かわからぬ。それはよいとして,その無線LANが繋がらない。なにが原因かわからない。ともかく有線LANでネットに繋がってはいるのだが,これでは買い換えた意味がない。

吉祥寺りぶる・りべろで,『南方熊楠展パンフレット』2500円をみつけた。ふんだんの図像がうれしいなかなかの1冊だ。調子がいいときはこんなのすぐに買うのだが,迷ったすえに延期。70年代の雑誌『地球ロマン』2000円なんてのもあった。安いほうだと思う。70年代オカルティズムのひとつの極北。西荻窪あたりで時折みかけるが3000円はくだらない。私は第5巻『奇想科学鑑』を,30年前に中目黒駅の構内書店で買ったことがある。いまも実家にあるはずだ。

その実家の段ボール数十箱(箱数不詳)と,いまは市川のトランクルームにある二十数箱。そして練馬の自宅のマンションにある書籍とで,だいたいわたしが生涯買った本はカバーできる。このまえ実家に帰ったときも,実物精査を図ったのだけど,断念。一部の箱を掘り出してみては,大塚久雄『社会科学としての人間』(岩波新書)などをちらちら読み,ああこんな優れた本を,積読のまま数十年実家においていることよ,と嘆いてみたりもするが,いかんせん。それでも,長男は,村上春樹『中国行きのスロー・ボート』(中央公論社)を二十年ぶりに掘り出しては,青春18きっぷ鈍行電車の旅の友にしたりしている。もって瞑目すべし。

このところよく眠る。ことに夜が早い。長い夜,長い夢をみる。この1か月余,NYCにいったり,郷里で数十年ぶりに友に再会したりで,記憶の構造に発生した断層や褶曲を,わたしの無意識はけなげに修復・再構築を図っているのだろう。

8月12日(金) 

昨日は,昼間からチュウハイを延々と飲み続け,昼寝し,辻邦生のエッセイを読み,読んだお陰でいささか気が楽になり,また眠り,Golden Ratioなどを拾い読み。辻邦生はよくもわるくも良識的な思索家だと思った。 伊達淳一『はじめてのデジタル一眼レフ』(岩波アクティブ新書,250円)@BookOff。

夜,どたばたとふたりの息子が帰ってきた。次男は九十九里浜から。長男は鹿児島から。

8月11日(木) 曇り

というわけでこの間,長男は,マウンテンバイクを無事ヤマトに委ね,青春18きっぷで,再び北上の旅にでた。青春18きっぷは丸2日間のみ有効なので,今日の夜までに東京にたどり着かねばならない。次男は九十九里に海水浴&勉強?の合宿中。妻は,ひとり鎌倉の実家に避暑にいった。(昨晩帰宅。)というわけで一家は日本各地に離散のありさま。

ぐれて朝から酒を飲み,先日の写真を駅前で受取。今日は仕事も放擲したぜ。なるようになるさ。

それにしても,Mercianの本搾りチューハイ(レモン・グレープフルーツ・オレンジ)どれもほんと〜に美味しい。まるで芸術のようなチューハイだ。氷結や-198℃なんて甘くてくどくてイヤ。

8月8日(月) 晴れ 上京

正午の全日空機で上京。空港でかるかん・さつま揚げなどのみやげ物を買う。羽田着後,赤坂は特許庁の近隣に寄り道。今回知ったのだけど,マウンテンバイクを輸送するには,日本サイクリング協会・ヤマト運輸提携のサイクリングヤマト便を使わねばならない。使わないと,準チャーターといいますか,引越しの荷物輸送と同等の金がかかる。というわけで,急きょ,親父が総本山の財団に,利用に必要な黄色いタグを買いにでかけた次第。5mおきに警官が警護する,厳戒厳しいUS大使館のそばを,後ろめたい中年男が変な荷物をかかえてキョロキョロうごく。ようやく総本山発見。タグ1000円也。なんども使える水戸黄門の印籠のようなタグである。世の中広しといえど,鹿児島の片田舎で自転車送れずに困っている息子のために,その日わざわざ上京して,財団法人日本サイクリング協会までおのぼりさんよろしく出向いた殊勝な親父は少ないかもしれぬ。

山王溜池そばの郵便局で速達にて鹿児島に発送。汗だくで,大きな荷物をかかえての,真夏のオフィス街放浪。参りました(笑)

8月7日(日) 晴れ

朝,地元の桟橋で釣り。長男はサイクリングで桜島一周。夕方には,再度ひとりでマウンテンバイクに乗り,温泉にでかけた。例の午後8時の水上花火が大浴場から観覧できた由。親父のほうはいささかバテて,市内谷山の母校での恩師による模擬授業は欠席。

8月6日(土) 晴れ

朝,チェックアウトしたのち,おばさん・母とわかれ,息子とふたりで近くの海釣り公園にいった。内海につきだした桟橋のうえで釣る。若干の釣果あり。まあ楽しかったのだが,半ズボンでつりに臨んだのがまずく,あとで急性日焼けに苦しめられた。午後ひとやすみしたのち,息子とふたりで水族館見学。巨大なタンクのなかでエイやカツオ・マグロの遊泳する様に親子で感動。別れて後,繁華街・天文館まで歩き,タクシーでサンロイヤルホテルへ。ここが今回の帰省の第二目的,すなわち高校卒業30周年記念の同窓会。

はるばる鹿児島まで卒業生の約4割,120名余の同級生が集まったのだからたいしたものだ。二次会の歓談が終わったのが夜の11時過ぎ。急ぎタクシーを飛ばしたが23:30のフェリーに間に合わず。深夜0:30のフェリーで桜島に渡り,そこから又タクシーで,帰宅は1時過ぎ。満天に星のかがやく遼遠な夜に,わがよってたつ(たった)根源を悟るなり。自然学への畏敬・人間的なもののはかなさを救う芸術。

8月5日(金) 晴れ

夏休み初日の昨日は終日残務処理。そして今日は鹿児島行。羽田空港のロビーで昼間から一番搾りを飲んでると,やおら手を振るふたりがいる。なんだろうかとすりよっていくと,神田に事務所を構える弁護士Kさん&Hさんであった。 話が前後するが,先日,職場に緊急の電話があった。ここで委細を語ることができないのが残念だが,某出版社の倒産に伴い,2年前に亡くなられた有名な編集者Y氏の辻邦生コレクションが散逸の憂き目にあっているという。これを引き取ってほしいという電話をくだすったのが,そのHさんであった。前の晩にはその辻邦生コレクション2箱が拙宅に届いている。献呈署名入りの本も散見される。今,デジタルカメラは長男が日本横断の旅に持って出ているので,写真は公開できないが,しみじみ浄福を感じているわけだ。そのHさん,Kさんと,機中で歓談。Kさんの相変わらずの気力まんまんの人生がつくづくうらやましい。というか,そういう風に自分も生きればいいのだが。

鹿児島空港から鹿児島市内までのリムジンバス車中でも,かわらずKさんは気炎をあげている。じつに頼もしい旧友であります。

山形屋デパートの前で別れをつげ,汗をふきつつテクテクとあるいて桜島桟橋へ。31年前の想い出の待合室はあとかたもない。(歳月をへて中年紳士に成り果てた,とうの私が,そのお嬢さんと再会する,なんてプロットは,誰かが書いたことがあるか?ないかもしれない)

袴腰の待合室では,母と,その十一歳うえのおばさんが待っていた。宿屋にマイクロバスの迎えを頼んで,国民宿舎レインボー桜島に着。3時。

実はこのころ,わが長男は,鹿児島中央駅(旧西駅)に到着していた。そこでマウンテンバイクを再度組み立て,そこから,桟橋までサイクリングし,フェリーに自転車を載せて,同じ宿舎についたのが一時間遅れの午後4時。実に劇的な父子・祖母の再会であります。

昨夜は風呂にはいってないという息子を連れて,温泉へ。(昨夜は,別府から西鹿児島への青春18きっぷの夜行電車のなか。しかも分解したマウンテンバイクを携行袋にかついでの車中。むりもない)。内海を見下ろす見晴らしのよい大浴場でしばし旅の疲れを癒す。)

今回の帰省の目的は,第一に,母とその姉さんの,長寿の祝いをすることであった。みなで地元の温泉に入り,一席設けて,水上花火大会を観覧して,はやく寝た。

8月3日(水) 晴れ

日曜日には荻窪にでかけた。古本の慢性夏バテの症状は如何ほどか”ささま”で診断しようと思った。自転車で環八の裏道を一直線。じつに爽快なサイクリングコースで,気も少し晴れる。ささまは相変わらず盛況であった。よくまあこんな暑い日曜日に,店頭均一コーナーはもちろん店内もぎっしりとおじさんたちがイシュウしていることよ。

ここでは,西東三鬼『冬の桃』(毎日新聞社,105円)と,丸山真男『戦中と戦後の間』(みすず書房,315円)を購入。西東三鬼には自伝三部作(「神戸」「続神戸」「俳愚伝」を収める。他にももちろんたくさんあったが,リハビリ中なので2冊にとどめる。竹中書店店頭には鴎外全集がバラ各300円で大量においてあった。常田書店は即売会の関係でお休み。西荻窪に向かう。いくつかの古本系ブログで,新しい古本屋のことが紹介してあった。南口のマクドナルド脇を線路沿いに新宿方向に徒歩1分。にわとり文庫。こじんまりとした,フローリングの床の店内はおしゃれ。本も丁寧に陳列してある。岡本綺堂の旺文社文庫がいくつか。値段が500円程度なのでその日はパスしたが,いずれ買うかもしれない。

そこから職場に。この日は,夜10:30まで残務整理。

丸山真男を拾い読みし,西東三鬼の『続・神戸』をいっきに読了。

月・火と,やっかいな会議をふたつこなし,ようやく本業の仕事に傾注できるようになった。

長男は,マウンテンバイクにて日本横断の旅の途中。東京から東海道・京都・大阪・広島を経て,現在,本州と四国を繋ぐ大橋の中継島「瀬戸田島」にいる模様。

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