2月27日(日) 晴 しょうもない古本買い日記2

というわけで,昨日も藤井書店で,ヴァレリイ・ラルボー『美わしきフェルミナ』(新潮文庫,50円),『仇ごころ』(角川文庫,50円)。トロワイヤやモンテルラン,ロシェル,モーランあたりがまだまだ残ってるが,さすがに読むかどうかもわからないのでまだ迷ってる。他に,会津八一『渾齋随筆』『続渾齋随筆』(中公文庫,計380円)。

Yoさんのお薦めで,バレンボイム『バッハ平均律クラヴィーア曲集 第1巻』(2793円)@Amazon。早く届かないかしら。 このところ殺伐たる味気ない日々の慰めにと,CD買うことが多い。

よく晴れた澄んだ青空の広がる早春の朝。空気は冷たくとも春の予感がする。古い文庫を窓際に並べてネコと一緒にMiles DavisのIt Never Entered My Mind を聴いていると,若い頃の憂いなき日々の気分が微かに戻ってくる。美しい娘とめぐり合えそうな予感がする。


それから,例によって残務整理に向かう道すがら荻窪に寄った。ささまにて,高橋たか子『高橋和巳の思い出』(構想社<坂本一亀のつくった出版社>,105円),Th・W・アドルノ『ヴァルター・ベンヤミン』(河出書房新社,315円),松浦寿輝『映画1+1』(筑摩書房,1680円)を買った。常田書店では店頭で『グリム童話集2〜5』(岩波文庫,計400円)。

2月26日(土) 晴 しょうもない古本買い日記

一昨日の夜,雪が降った。浅い雪の翌朝の自転車は危ないので,昨日はタクシーで荻窪まで往復。4000円使ってしまって涙。でも,そのおかげで,荻窪BookOff(ここの文庫本売場の蛍光灯は白熱灯っぽい暖色のものに切り替えた。夜更けだだ広い店内をそちらに向かって行くとなにやら古本天国に向かう気分)にて,ガードナー『どもりの主教』『あわてた人魚』(ハヤカワ文庫,各105円)。他にもいくつかあったのだけど例によって自分で何を持ってるか忘れたのでパス。

藤井書店に前世紀初頭のフランス文学の文庫コレクションが放出されたのを発見。モンテルランとかドリュ・ラ・ロシェルとか,このあたりは読んだことがない手薄な領域。珍しい新潮文庫が数冊あったのだけどいったんパスして,ピエール・ロティ『ラムンチョ』,ユジェーヌ・ダビ『煩悩』,ヤコブセン『ここに薔薇ありせば』,フラビエ『女生徒』(すべて岩波文庫,計250円)を拾っておいた。今日もまた発掘にいこう(笑)昼休みがんばるぞ!

Amazonからは,荒川洋治編『新潮創刊100周年記念 名短編』(新潮別冊,1500円)と,Miles Davis "Workin'"が届いた。

2月21日(月) 曇りのち晴

週末は沈うつな天気だったが,午後からやっと晴れた。昼休みは吉祥寺の喧騒を逃れ,遥カ狂乱ノ群レヲ離レテ,西荻窪へサイクリング。花鳥風月店頭で,朝日新聞社編『女たちの太平洋戦争』(朝日文庫,50円)と,山本夏彦『生きている人と死んだ人』(文春文庫,50円,だぶりだった)。音羽館では何も買わず,森田書店で『退屈読本』を買おうと思ったが閉まってた。駅前吉野家で380円の昼食。しめて480円で,サイクリングできて素晴らしい本まで買えてじつに仕合わせな昼休みだ(笑)。その後,西荻窪における東海林さだおの日常を考究する。氏いきつけの店,洋食真砂の隣家が庄司歯科というのには何か深い訳があるのか,ちょこっと悩む。

◆上田太一郎『Excelでできるデータマイニング入門』(同友館,3150円)がAmazonから届く。

2月19日(土) 雪のち雨

冷たい雨が降る。熊谷達也は褒めすぎだったかも。『漂泊の牙』(集英社文庫,360円)@外口書店。文体が安っぽいし,人物が類型的。口直しに『病は気から』。こっちの喜劇のほうがよっぽど現代的だ。高嶋哲夫『ミッドナイト・イーグル』(文春文庫,450円)@BookOff。こちらもハズレだ。そつがなさすぎる,上手すぎる。心にひっかかるものがない。

なにをやっても何を読んでもこころ楽しまない。慢性ワーカホリックのしょうもない休日。

◆金子史朗『ロストワールド・科学の旅』(講談社ブルーバックス,200円)@藤井。

2月13日(日) 晴れ

熊谷達也『モビィ・ドール』(集英社,750円)をAmazonで衝動買い。今朝の日経で激賞してあったので。知らない作家。楽しみです。


と,朝書いたが,そのあと気になって調べると,昨年『邂逅の森』で直木賞・山本周五郎賞のダブル受賞を果たした期待の作家だった。まずは手始めに第一作『ウエンカムイの爪』(集英社文庫,200円)@外口書店を買って読んだ。一気に読ませる秀作。野生のヒグマの調査に執念をかける謎の女性とカメラマンを描く。

阿佐ヶ谷に次男のロードバイク(自転車)を買いにゆく。フレンド商会@青梅街道。一緒に阿佐ヶ谷行きのバスに乗る。自転車といっても親父のママチャリが十台は買えようかという高価品。取り扱いの説明を聞くこと30分。帰りは古本屋を冷やかすが,商店街はずれの日本現代文学専門店はお休み?閉店? ブックギルド2はみつからず。これまた店を閉めたのか?

3日間,よく眠って,家族サービスができ,友人とも豊かな時間が過ごせた。また明日から忙しい。

2月12日(土) 晴れ 荻窪・西荻窪古本ツアー

昨日は珍しく休んで,酒を飲んでは眠り,起きてはまた眠りと,惰眠を貪ってやや元気になった。

夕方5時に荻窪駅前で旧友I君と落ち合う。ちょっと早く着いたので,南口の空き地で,朝方上石神井で買った吉村昭『碇星』(中公文庫,100円)を読んだ。侘しい老境小説だがこの侘しさが恋しいときもある。

さて今日は古本屋めぐりである。手始めにささま書店々頭で,モリエール『病は気から』(岩波文庫)※訳者鈴木力衛の木下順二への署名献呈本(ただし真贋は不明),フィリップ・ロス『乳房になった男』(集英社文庫),鈴木洋史『百年目の帰郷』(小学館)各100円。Iさんは安岡章太郎,マーロン・ブランドの評伝他多数。雑誌遊の第3期がごっそりでてました。岩森書店。次に竹中書店。こんどは稲垣足穂のコレクションがでてました。大全揃い他多数。『菫色のANUS』初版8000円には手が出ず。当方所有は,函なし・頁一部破れの破損本です。ここで,下り電車に乗り,隣の西荻窪へ。ちょうど30年前の春,吉祥寺にふたりして降り立った往時を偲びつつ,森田書店・音羽館・花鳥風月の3店を巡る。森田書店では,Iさんが佐藤春夫『退屈読本(上下)』(800円)や中野重治(書名失念)をお薦め。来週またきて買いましょう。音羽館でも足穂のミニコレクションが眼に入った。筑摩書房の全集が揃って,過去のコレクションに動きがあるのかしら。化学反応のようで面白い現象。

ちょっとビールでも飲もうということになって,駅北口正面の路地を入ったところで,Iさんが焼き鳥屋の二階に洋食「真砂」を発見。東海林さだおの通う隠れ名店とのこと。名物ロースト・ビーフ他を堪能しながら戦利品の吟味(笑)。

2月11日(金) 

正宗白鳥『今年の秋』(中公文庫,100円)@藤井。珍しい本なので買って読んだが,とりたてていうことなし。

2月6日(日) 

◆昨夜NHKのフリーター百万人時代の漂流(?)を観た。ハイテク時代の恩恵を受けながら,テクノロジに関心のない,「高貴な野蛮人」の時代かと思いきや,なんと女工哀史の昔に戻るかのような労働疎外が若者を襲っている。暗澹たる気分になった。若者が社会的弱者に転落している現代の様相については,夙に宮本みち子『若者が『社会的弱者』に転落する 』(洋泉社新書)が警鐘を鳴らしているが,ここまでひどいとは思わなかった。

◆袖井林二郎『マッカーサーの二千日』(中公文庫,100円)@上石神井せきぶん堂。

2月5日(土) 

風が吹き,わずかに早春の気配がする。

◆林三郎『太平洋戦争陸戦概史』(岩波新書,150円),麻生圭子『京都暮らしの四季』(文春文庫,170円),酒見賢一『語り手の事情』(文春文庫。200円),素樹文生『旅々オートバイ』(新潮文庫,100円)。と,なんだか脈絡もなく本を買い,寝床で読んでる。志木のIさんからは今度の3連休のご提案有り。久しぶりに中央線沿線にでも繰り出しますかな。

◆稲垣足穂のコレクションの補完を思いついているところ。『大全・2』(※手元の巻は汚損はなはだし),『僕の”ユリイカ”』(南北社版 ※鎌倉のあそこに置いてある?3500円位か),『ライト兄弟』(ささまで3000円,ネットでもう少し安い?),『ヴァニラとマニラ』(仮面社版,※当方所有は普及版函なしの為,買い足し検討中,ささまで2000円 でも函だけで2000円かけるか思案中),筑摩書房版全集(揃いで43000円位か)。没後に数々刊行された再編集版にはさほど興味なし。河出文庫版にも興味なし。最近はちくま文庫から満を持しての足穂コレクションもではじめましたね。

2月1日(火) 

◆片山裕『sedパズルブック』(インプレス,1700円位)@Amazon。品切れ・絶版の本でもマーケットプレイスに予約しておくと優先的に買えるので便利だ。上限の希望価格を入れて待つだけ。文芸書なら日本の古本屋などの主要のネット古書店で購入できるけど,この手のコンピュータ関連書籍はみつけにくい。正規表現の入門書。

難しい仕事がゾクゾクと片付いて,あとは2月の模試のみ。ただこれがいちばん厄介ともいえる。油断禁物。たのしいことなし。

 

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