11月30日(日) 雨 月の終わりに雑談

芳賀さんの本で得た情報。
Yahoo!ブックス 国内でISBNコードの残存している全書籍が検索可能とのこと。他のオンライン書店と異なり,遥か昔に絶版になっている本も検索できるわけだ。これは知らなんだ。

EasySeek。個人でも業者でも出品可能なネット古書店。amazonやYahoo!オークションのように個人でも気楽に出品できる環境が広がりつつある。
・シール剥がしには,丸善製『はがしっこシリーズ5 値札はがし』が一番良いと。さすが老舗丸善。
西荻窪ハートランドには,古本うさき書林や北尾トロさんの店置き本コーナーがある。いまや西荻窪愛好家となった私とはここで接点があるわけです。

朝,TVをつけるとBS2で週刊ブックレビューなる番組をやっていた。ゲストは松岡正剛さん(磯崎新『建築における「日本的なるもの」』),津島佑子さん(フラナリー・オコナー『フラナリー・オコナー全短篇(上・下) 』)他。松岡正剛さんが出てたのでしばらく観た。なかなかいい番組だ。今日はオコナーを買いにゆこう。

次男の借りてきたDVD『ピカ☆ンチ LIFE IS HARD だけど HAPPY』。しょうもない青春アイドル映画と思いきや,意外に良かった。品川ウオーターフロントの高層団地に住む高校生たちのひと夏の青春。彼らの焦燥と鬱屈とおぼつかない恋が映し出される。全編いかがわしいキッチュなタッチなのだが,そうした風俗のなかから不意に瑞々しさが立ち現れる。不器用で情けない無様な十代。息子を持つ身としてはたまにこうしたムーヴィーを観て波長をチューニングするわけだ。

タラバガニ訳あり品,3尾で3,000円の激安。メルマガ→産地直送にて。お姿を写真に収めようと思っていたのに一家の胃袋に収まってしまった。

この11月は数年に一度のオーディオ熱がぶり返し,オークションで,DENONの中古アンプ・BOSEの定番101MM・TEACのカセットレコーダなどを買い込んでしまった。古いオーディオって風格があっていいんだけど,この熱また冷めてきた。

河野多恵子『赤い脣 黒い髪』(新潮文庫,200円),丸谷才一『猫だって夢を見る』(文春文庫,100円),吉行淳之介『恐怖対談』(新潮文庫,100円),長谷川伸『日本敵討ち異相』(中公文庫,200円)

11月28日(金) 曇り

★芳賀健治『インターネットで古本屋さんやろうよ!』(大和書房,780円)。アマゾン経由で,かの天牛書店から本が届いた。著者は,リサイクル系古本屋からのせどりを主としたネット古本屋古本うさき書林のご店主。実に至れりつくせりなネット古書店開業マニュアルである。わたしもちょっとその気になっている。

★澤地久枝『妻たちの二・二六事件』(中公文庫,140円),林望『リンボウ先生の書斎のある暮し』(知恵の森文庫,300円),丸谷才一『みみづくの夢』(中公文庫,240円),ドナルド・キーン『碧い眼の太郎冠者』(中公文庫,50円),村上春樹『ザ・スコット・フィッツジェラルド・ブック』(中公文庫,50円)

11月23日(日) 晴

I君のお誘いもあって午前のとある時刻に近所のヤマダ電機で待ち合わせ。ミニスカートのお嬢さんから携帯販促のティッシュを貰い気を良くするバカ親父は私。

笹目通りを北上し例によって志木駅北口の東西書房。鬱蒼たる書籍の森から,中野好夫『主人公のいない自伝』(筑摩書房,600円),ボルヘス+カサーレス『ブストス=ドメックのクロニクル』(国書刊行会,1977年,1000円),ホーソン『七人の風来坊』『優しき少年』(共に岩波文庫,計350円),ストリンドベルク『大海のほとり』(岩波文庫,200円)を買う。次にBookOffへ向かう。帰り道立教志木や凸版朝霞工場のそばを過ぎたからそのあたりか,場所不詳の,ああそういえば水子貝塚の脇を通ったが,そのあたりのBookOffで,藤原てい『旅路』(中公文庫),吉田直哉『癌細胞はこう語った 私伝・吉田富三』(文春文庫),『中野重治集』(集英社)各100円を求めた。ここで集英社昭和40年代の日本文学全集・世界文学全集全揃い各100円の壮観にふたりして息を呑む,圧巻なり。

I君宅にて,書物談義花咲く。ここで横山秀夫『影踏み』(祥伝社)『真相』(双葉社)の近著2巻を借りる。(今真相中の2編を読んだが,プロットが残酷で,上手いが読後感は苦し) はたまた,宮脇俊三『日本探見二泊三日』(角川文庫),芝木好子『巴里の門』(集英社文庫),あの粕谷一希の『二十歳にして心朽ちたり』(新潮社,1980年)を恵んでいただく,深謝。粕谷の本はめぐり合い悪く(というか見送った時期がありその罰)近年ずっと探していた本。また,文藝春秋の贅を尽くした雑誌『ノーサイド』コレクションより,ダブリの96年4月号『総特集 おお,女優』を頂く。

帰路,自宅そばへ直行のバスの本数少なく,しかたなしに石神井公園行きに乗車。石神井着後,性懲りもなく,草思堂へ。『開高健対談集 午後の愉しみ』(文藝春秋,550円),河野多恵子『思いがけないこと』(新潮社,500円)。他にもあったがさすがに自粛(笑)

 

11月22日(土) 快晴

谷沢永一『完本 紙つぶて』(文藝春秋,1000円)@花鳥風月。完本とあるが,実は刊行後も書き継がれたコラムを増補した完全版が文春文庫他からでてるのを今朝方知った。まあいいけど。1頁2段組たかだか600字程度の紙面に,論旨明解ぴりりと光る名コラムが,336編。

今朝は近所のBookOffにて,安田亨『入試数学伝説の良問100』(講談社ブルーバックス,450円),常盤新平『親父橋の町』(双葉社,100円),荒俣宏『帝都物語 第壱番』『帝都物語 第弐番』(角川文庫,計450円)。

ああ低調なる人生。仕事と健康と家族と。所詮これだけであって,それすらいくつか揺らぐととたんに人間落ち込む。

11月18日(火) 

滝本竜彦『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』(角川書店,1500円) をアマゾンに注文,これは長男の為。親父は,得津一郎『はじめての統計』(有斐閣,1400円)と千秋寺京介『怨霊記(一)四国結界編』(徳間書店,350円)を吉祥寺外口書店にて。川本三郎の新刊,西荻窪にある『紙つぶて』1000円,『項目反応理論 事例編』あたりが気になるところ。いやあ本は安い。

11月16日(日) 快晴

午後,練馬に繰り出す。一信堂書店にて『伊藤整詩集』(新潮文庫,200円)。この店内には鬱蒼と書籍がある。吉野秀雄訳注『良寛詩集』(東洋文庫)や『良寛全集』なんてのもある。小山清全集全1巻,和田芳恵全集なんてのも隅っこに眠ってる。古本・遥にて山口瞳『小説 吉野秀雄先生』(文春文庫,500円)。遥には獅子文六全集揃い12000円もあった。千秋寺京介はどこにもなし。

夕食は富士見台エチゴヤにて焼肉食べ放題。


やっと晴れた。雲ひとつない爽やかな空。こんな日をインディアン・サマーというんだっけ。

日経夕刊「あすへの話題」で,常盤新平さんが吉野秀雄の『良寛』について書いていた。
 山住みのあはれを誰に語らましあかざ籠に入れかへるゆふぐれ
歌の意は越後の「国上山中五合庵に住む身の悲しさは誰に語ったらいいか,そういうひともいない,こうして今夜の夕飯のお菜のあかざを籠に入れて,夕暮れの山道をとぼとぼと帰りゆく自分である」。良寛の歌もいいが,吉野先生の解釈も素晴らしい。

昨晩,夜更けに目覚め,台所でこの夕刊を探し出し,切り抜き,やおら書棚から,『訳注 良寛詩集』(岩波文庫)や水上勉『良寛』を掘り出して読んでみた。

そういえば,先日Yoさんから教えていただいた俳人芝不器男についても書棚を探してみると,数年前に吉祥寺で買った『わが愛する俳人 第二集』(有斐閣新書)のなかで,不器男ゆかりの飴山実氏が30頁程の 紹介をしておられる。
   あ な た な る 夜 雨 の 葛 の あ な た か な
についての虚子の鑑賞文も載っていたので読んでみた。

滝本竜彦『NHKにようこそ!』 (角川書店),自死遺児編集委員会・あしなが育英会編『自殺っていえなかった』(サンマーク出版,1300円)は涙ボロボロ,丹羽健夫『悪問だらけの大学入試』(集英社新書,330円)

11月10日(月) 雨 荻窪哀愁行

朝から冷たい雨がしょぼしょぼと降る。しがない休日だ。オークションで求めたDENONのアンプをBOSEのスピーカーとセッティングし,部屋の片づけをする。朝はふらりと駅前のBookOffと三省堂をのぞいた。横山秀夫の新刊をしばし手にとる。ほそぼそと昼食をとったのち,石神井公園の古本屋にいった。きさらぎ文庫は店頭本のみ閲覧。草思堂にてしばらく本を探した後,川本三郎『はるかな本,遠い絵』(角川選書,250円)を買った。店をでると再び小雨が降り始めている。

一昨日の土曜は,Iさんと荻窪でおち会った。本当はこの日,某雑誌の原稿のため取材旅行?にでかける予定だったのだが,なんとなしに興が乗らず,昼間から酎ハイ飲んだり音楽を聴いたりしてウツウツとすごしていたのだった。晩秋ゆえの早い夕闇が降りる頃,例によってママチャリで環八をまっすぐ南下,青梅街道にぶつかったところで左折して荻窪界隈にすべりこんだ。

そう,今宵は恒例の中央線古本屋探索だ。Iさんは徒歩,わたしは自転車という変則行である。まずは岩森書店。店内奥の初版本コレクションあたりを冷やかすが,波動のあう本なし。次なるささま書店へむかう。むかう道すがらI君が語るにはこの近隣に昔住んでいた由。荻窪は若い日の思い出がつまっているそうな。

ささま書店は相変わらず渋いおじさん方を中心に賑わっていた。岡崎武志さんの本にあるとおり,店頭本にちからが入っている素晴らしい古本屋である。私たち二人も店頭本をじっくり探索し,大いなる釣果をあげた。特にIさんはごっそりと買い込んだのだがここでは敢えて秘す。わたしは藤原正彦『遥かなるケンブリッジ』(新潮社,100円),角田房子『一死,大罪を謝す』(新潮社,100円)※ダブリかも,山本夏彦『日常茶飯事』(中公文庫,100円)の3冊のみ。店内は近現代文学や西洋文学の書棚を中心に閲覧したが,いつみても充実したしかも安価なコレクションが楽しめる店だ。

こののち,竹中書店そして最近できた常田書店を巡った。常田書店では本棚いっぱいの梶山季之コレクションに二人して驚く。それがもう半端じゃないコレクションなのである。他にも獅子文六・内田百間など錚々たる異色文学の蒐集ぶりである。

こののち荻窪駅北口の秋吉にて焼き鳥で一杯。芝木好子『幻華』『流れる日』(ともに集英社文庫)を頂戴し,かわりといってはなんですが同じく芝木好子の『鹿のくる庭』(中公文庫)を贈呈。読書の話題・旧友たちの近況など話は尽きず。

※アマゾンのユーズドブックスで,自死遺児編集委員会編『自殺って言えなかった。』,,滝本竜彦『NHKにようこそ!』を注文。変な取り合わせでしょ。うち,最初の本はBookOff某店舗の出品だったが,さきほど売り切れのお詫びのメールが届いた。残念です。

11月6日(木) 

花鳥風月にて,金子民雄『ヘディン伝 偉大なシルクロードの探検者』(中公文庫,50円),水上勉『土を喰う日々』(新潮文庫,200円)。また,清水雅洋さんからは,新刊『本心 小説「石門心学」』(文芸社,1500円)が届く。

11月4日(火)

ようやくまたひとつ厄介な仕事が終わった。
細川護貞『細川護貞座談 文と美と政治と』(中公文庫,200円),『千家元麿詩集』(弥生書房,200円)。

意味深な夢をしばしば見る。ひとつひとつ生活を立て直してゆこう。

[ HOME ]