6月28日(土) 曇り

というわけでだらだらと仕事漬けの悲しい毎日。吉祥寺外口書店にて思潮社旧版のNerval『阿呆の王』、おおっと手に取ると4800円の値付けだった。いかな鏤骨の訳書といえ、この値段では仏蘭西語をもういちどおさらいして、原書で読んだほうがよさそうだな。A・ヴェイユ『初学者のための整数論』(現代数学社、1600円@Amazon)は、本編59頁のハードカバー小冊子だが、難しすぎた。解説がこのほかに60頁ほどついている。整数論コンプレクスを脱却したいのだが。ほかにモーム『アシェンデン』(ちくま文庫、500円@りぶるりべろ)。

引き続き、、ジェット・リー(リー・リンチェイ)追跡。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ天地争覇』、『The One』。

閣下、私は寂しい・・・(荷風)

6月24日(火) 曇りのち雨

沈うつな雨が降る。ま、梅雨だからしょうがないけど。延々と仕事がつづく。ま、世過ぎだからしょうがない。

旧友 Iさんからは文芸座成瀬巳喜男特集のお知らせメールをもらった。転送したKさんとのやり取りも楽しい。

6月21日(土) 晴れ 

このところ買った本。丸谷才一『女ざかり』(文春文庫、100円)『軽いつづら』(新潮文庫、200円)、『横しぐれ』(講談社文芸文庫、300円)、モーム『月と六ペンス』(新潮文庫、150円)、獅子文六『青春怪談』(新潮文庫、200円)、伊藤整『発掘』(新潮社、昭45年、タダ@草思堂)、平川陽一『世界遺産・大自然と秘境のミステリー』(PHP文庫、619円)。

平凡な毎日だ。読んでるのは、伊藤整『日本文壇史』、モーム『お菓子と麦酒』あたり。遅々たる読書で感想というほどのこともない。このところ、ジェット・リー(リー・リンチェイ)に惚れ込んで、元祖『少林寺』(1・2)からハリウッドの『ロミオ・マスト・ダイ』『リーサル・ウエポン4』あたりを流し観してる。しかしハリウッド版カンフーはつまらないな。

暑い一日だった。ヤマダ電機で子供部屋のクーラーを買い換えた。ジャッキイ・チェンの『少林寺木人拳』を観た。

6月16日(月) 曇り時々雨 吉田武『オイラーの贈物』

小説1冊読むのにもやたらと骨の折れるこの頃。いっそ数学書に挑戦しようと、吉田武『オイラーの贈物』(海鳴社)を読んでるところ。Amazonの書評子が「ノートと電卓片手にこの本を読むほどの愉楽はほかにない」と評しておられたがさもありなん。オイラーの定理とその特殊形 eのiπ乗=-1の証明に至る、解析学・三角関数・指数関数・複素平面の流れを、数学という大河の源流から遡って、大河の一支流さえもおろそかにしない方針で、解説しつくしている。ボケた頭にはすべては理解しがたいが、理解できないところは無理につっこまず、大河の流れに身を委ねて、いまや巻半ば、オイラーの定理の証明にまで流れ着いたところ。(本書は、ちくま学芸文庫版が<定本>になったようだが、字が小さすぎるので、原版で読んでます)

山本周五郎『人情武士道』『扇野』(新潮文庫、各100円)@藤井書店。DVD『少林寺2』、クライマクスシーンの大乱闘に呆気にとられる。ディープな中国の民俗。わたしの細胞のひとつひとつが懐かしがっているのは何故なんだろう。

6月14日(土) 曇り時々雨 

『sumus』中公文庫特集号着。2冊買い求め1冊はIさん用に。映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 大地大乱』クライマックスの争闘シーン秀逸。ワイヤアクションを駆使したカンフー。元祖マトリックス。最新作『Hero』も評判よし。あの粉川哲夫氏も褒めてるくらいだからhttp://anarchy.k2.tku.ac.jp/japanese/cinema/notes/index.html

夜は近くの東京飯店にて家族で食事。焼肉三昧。

6月8日(日) 晴れ 夫婦で古本屋巡り

のんびりとした週末であります。しかしいろいろと抱えている問題は多く、家にいても気が晴れないので、夫婦で荻窪にゆきました。そう、中央線までサイクリングです。石神井川沿いに裏道をつたって環八の拡張工事のおこなわれているあたりまで進み、あとは環八をひたすら南下。このところ3回目の荻窪行ですが、慣れてくるとなんだか近く感じますね。環八と青梅街道が交差するあたりで、東に折れ、駅前に到着。放置自転車が多く、歩道が狭い。このところ川本三郎のエッセイを読んでいるせいか、戦後闇市がそのまま残ったような北口の一角の飲み屋群が妙に気になります。地下道をくぐって南口に出、ささま書店に到着です。店頭本から、巌谷国士『ヨーロッパの不思議な町』(筑摩書房、300円)と、紀田順一郎『古書街を歩く』(新潮選書、100円)。どちらも美本。先日店頭にあった荷風全集揃い6000円はもうなし。当たり前か。店内も広く明るく、お歳を召した店主も爽やかで、妻の評判も良し(笑) 帰りがけに買った大岡昇平『花影』(集英社文庫、100円)はダブリでした。次に岩森書店。郷ひろみや桜田淳子が表紙にのってる明星や平凡が2000円で売られてるのに驚いてましたね。さらに竹中書店。妻にいわせるとなんだかかび臭く陰気だそうですが、ここで『辰野隆随想全集 2』(福武書店、昭和58年、1000円)を見つけて一気買い。かねたくさんお薦めの『忘れ得ぬ人々』(講談社文芸文庫)を探索中ですが見つからないまま(版元も品切れ?)の現在。これはお買い得では? 「え・びやん」と題する本巻では、「愛書癖」「書狼書豚」などの愛書談義ほかのエッセイが多数収められてます。

次なる目標は常田書店。幻想文学や特定作家にこだわった店です。西洋のロマン主義からこのかたのその種の文脈の本が圧巻です。もっとも私としては先日店じまいした古書・銀河の狭い店の片隅のほうが恋しい。あのときもっと買っておけばよかったと悔やまれます。

 そういえば、江古田の落穂舎も店舗を閉めて目録販売に専念するとか。もと江古田の風光書房の店主に再会したくて先日御茶ノ水の一角を彷徨いましたが、この店も行方知れず。寂しいですねえ。

 夫婦で珈琲かビールか嗜んでもよかったのですが、何故かそのまままっすぐ帰りました。夕食はお鮨。

6月7日(土) 曇り 「『いちご白書』をもう一度」

近所のBookOffの有線で、「『いちご白書』をもう一度」のヒップポップ版に聴き入った。いずれビリケンかなと思って、ネットで調べると案の定そうだった。ちかくのヤマダ電機でシングルCD1050円也。ビリケンことビリーとケンのおふたりは二十代前半。するとユーミンの感傷はとうさん・かあさんの世代のそれである。切々と唄えばそれはいかがわしさとすれすれのところで純である。純ではあるがそれだけでは息子世代は立つ瀬ない。イントロと間奏で、雲間から光挿すように、彼らの世代の悲しみと憧れが、これは屈折したかたちで噴出する・・・。ヒップポップっていう領域はよくは知らんが、そこのところを実にうまく、ビリーとケンは唄い分けている。6月4日発売とのこと。これからヒットするかしら。

6月6日(金) 曇り

昨日、吉祥寺BookStationにて、ケラー『白百合を紅い薔薇に』(岩波文庫、昭16年、400円)、モーム『お菓子と麦酒』『女ごころ』(ともに新潮文庫、310円)。このうち、中篇『女ごころ』を昨晩読了。主人公は美貌の未亡人。少女時代から慕ってくれている年長のキャリア役人とバツイチの不良青年のふたりに求婚されて迷うという、ありきたりなテーマだが、洒脱な会話を楽しむうちにぐいぐいストーリーに引き込まれて、ついつい読了してしまった。

モームには、中学時代、当時それなりに売れていた岩波新書版の『読書案内』(今は岩波文庫)で親しんだものの、高1のときにPenguin版の短編集で挫折した苦い経験があって、それっきりになっていた。どうもその、如才のない職業作家というイメージが強かったんですね。モシキさんのお薦めで1冊読んでみたが、なかなか面白いので、これを機に、数十年積読の『雨・赤毛』も読んでみよう。今日あたり、『月と六ペンス』『人間の絆』も確保しておくか。

☆岩波文庫 ドイツ文学未入手リスト(備忘用)

ティーク『長靴をはいた牡猫』グリルパルツェル『祖ひ』ハイネ『ハルツ紀行』『ドイツ古典哲学の本質』ハウフ『隊商』ヘッベル『ギューゲスと彼の指輪』ケラー『射撃祭』『恋ぶみ濫用』フォンターネ『迷路』『罪なき罪』『フッテン最後の日々』マイエル『聖者』ハウプトマン『日の出前』『獺の外套』以下略。

6月4日(水) 曇り 一日の労苦

このところ川本三郎の街歩きエッセイが妙に懐かしく、夜寝床で読んでいる。『ちょっとそこまで』『雑踏の社会学』『あのエッセイこの随筆』など。願わくばわたしも平日の午後ふらりと電車にのって下町の古本屋などを散策した後ふとみつけた小さな居酒屋でソラマメかなにかをつまみに一杯やってみたいものだ。なんだかもう、人生の雑事が煩わしくてならぬ。

とはいいながら、珍奇な課題にアクセクする毎日。ちまちま働くだけが能じゃないよといいながら、妙にビジネス書の一角が気になったりするこのごろだ。

DVD『史上最大の作戦』。ヨーロッパとは?WW IIとは?いろいろと考えさせられることの多い戦争映画であった。俯瞰撮影・移動撮影・長回し。映画的な楽しみ方もできる。これは熊襲さんの影響。

若いY君がアルバイトで加わり、職場に活気がでてきた。オタク度のpHがいちだんと高くなったようだ。かたや、Web技術の大家F君は、また新しい技術をみつけて興奮している。ここ

モーム『太平洋 モーム短編集2』(新潮文庫、200円)@りぶるりべろ。モシキさんの影響。しかし読む暇なし。

6月1日(日) 曇り

金・土の2日間ゆっくり休んだ。金曜日は都内某オフィスにてPCのメンテナンス。のち、帝国ホテルB1F、『ラ・ブラスリー』にて仏蘭西料理をご馳走になり、そののち、これまた都心某マンションにて酒を飲みつつK氏と閑談。夜8時に及ぶ。

志水辰夫『きのうの空』(新潮文庫、590円)。少年期から老年期までの人生の様々な局面を描いた短編集。『いまひとたびの』に連なる。とても巧みなのだが、主人公たちの自己表現があまりにそつがないのが気になる。

 

[HOME]