12月29日(日) 晴れ いざや寝ん元日はまた翌(あす)のこと 蕪村

日経読書欄では各氏が今年のベスト3を挙げている。赤坂憲雄氏の推す中沢新一『人類最古の哲学―カイエ・ソバージュ〈1〉』 講談社選書メチエ1500円、シンデレラ伝説の中沢流解読が面白そうだ。長谷川眞理子氏の推薦、R・E・タンジ他『痴呆の謎を解く』(文一総合出版、2400円)「悪夢のような病に挑む研究者たちの光と影。そして見えてきた発病メカニズムの全貌。アルツハイマー病の解明に挑む科学者たちの素顔を鮮明に描写し、その現場の事情を語る。」(Amazonから転載)。北上次郎氏のお薦めは重松清『流星ワゴン』(講談社)。なぜかこのごろしきりに重松清の名前が飛び込んでくる。今日は久しぶりの休みなので、近所の三省堂に重松清や中沢新一をチェックしにいこう。日経日曜版では他に、昭和15年に場末の養育院で窮死した文人画家長谷川利行の画業が気になった。

今年の歳末はとくに慌しく、大晦日の夜まで仕事が詰まっている。紅白の中島みゆきを観れるかどうか危ういところだ。来年はもっと余暇をじょうずに使って、いろいろと勉強もしたい。来年は、SQLなどクライアント・サーバー型のデータベースのことや、懸案のXMLやLinux Server運用、多変量解析などのデータマイニング、統計学の初歩、IRTやCATなどのテスト理論の理論と実践、Cなどのプログラミングをもっと研究しよう。

昨日買った本。勢古浩爾『まれに見るバカ』(洋泉社新書、360円)@外口書店。過激な冊子で、一歩間違うと団塊世代の鬱憤晴らしに落ちかねないところだが、筆者の奥深〜い教養(これはイヤミではない)が救っている。第2章バカ本を読む、では昔読んだ呉智英『バカにつける薬』や小谷野敦『バカのための読書術』ものっていてさもありなん。第3章現代バカ著名人列伝では、常連の渡部昇一や田中康夫は当然として、宮台真司・渡辺淳一など著名人が槍玉にあがる。もっとも勢古さんの本領はここいらにはない。新刊『ぶざまな人生』(洋泉社新書)までたどり着くつもり。

12月26日(木) 晴れ

このところ買った本。泉鏡花『日本橋』(岩波文庫、250円)、ウィルキー・コリンズ『夢の女・恐怖のベッド』(岩波文庫、250円)、E・S・ガードナー『緑色の眼の女』『ブロンドの鉱脈』(ハヤカワ文庫、200円)、高見浩訳『ヘミングウェイ全短編2』(新潮文庫、200円)、大木惇夫『緑地ありや』(講談社、昭和32年、100円)@藤井書店店頭。「戦友別盃の歌」などの戦争詩で一躍名をはせたがゆえに、戦後詩壇から疎まれた詩人大木惇夫の自伝。本の状態は悪いが著者署名入り。献呈先は当時の婦人公論社社長とわかった。

12月22日(日) 曇り Web本の雑誌の読書相談室

このところ買った本。阿佐田哲也『麻雀放浪記 1〜3』(角川文庫、300円)、S・バトラー『エレホン』(岩波文庫、100円)、半藤一利他『日本史が楽しい』(文春文庫、200円)、ウイーダ『フランダースの犬』(新潮文庫、50円)、勢子浩爾『わたしを認めよ!』(洋泉社、300円)、小泉修『図解でわかるデータ通信のすべて』(日本実業出版社)。

でもって今日は、内田魯庵『新編思い出す人々』(岩波文庫、350円)、業田良家『詩人ケン』(幻冬舎文庫、250円)※へんな漫画だった。志多三郎『街の古本屋入門』(光文社文庫、200円)※古本屋開業入門他。免許取得・開店資金・店舗計画・月間収支目標など具体的。泉鏡花『照葉狂言』(岩波文庫、150円)、泉鏡花『海神別荘』(岩波文庫、200円)、B・レッツ『ビート・オブ・ハート』(文春文庫、350円)※Web本の雑誌の読書相談室で褒めてあったので。A・ナス『SQL Serverガイド』(トッパン、500円)、『初級C言語』(ITEC、200円)

なんのことはない、鬱な休日は自宅そばのBookOffくらいしか行くところがないので、行っては買い行っては買いのしょうもない冬の一日なのだった。

上のWeb本の雑誌の読書相談室(読者の質問に評論家・書評家のみなさんが回答するコーナー)がけっこう面白く、朝方はまってずっとみていた。ここで、佐藤多佳子『しゃべれどもしゃべれども』(新潮文庫)、重松清『ナイフ』(新潮文庫)、平 安寿子『グッドラックららばい』(講談社)や上記ビリー・レッツの小説を知り、BookOffや三省堂を探したのだが、ビリーさんの小説以外みつからなかった。家族をめぐる癒しの小説群なのだが。夕刻、富士見台駅前の古本屋山本書店で偶然にも佐藤多佳子と平安寿子の新刊が2冊なかよく並んでいて、へ〜ぇと驚いた。妙なところでボクと相性がいい本屋だな。しかし件の本ではないので今日は見送り。

12月18日(水) 曇り

夜更けの帰宅途中に自転車がパンクするは、挙句チューブがいかれて交換代金が吹っ飛ぶは、仕事用のWindowsマシンのスタートメニューが消えてなくなる(笑)は、仕事は年末年始にかけて難問が山積するは、ろくな事のない毎日です。掲示板そのほかで日頃お世話になっている方々へ不義理もしておりますが、どうかお許しください。

半藤一利『聖断』(文春文庫、100円)@りぶるりべろ。夜更け帰っては布団のなかで『麻雀放浪記』を読むこのごろ。山内一也『キラーウイルス』(ふたば新書)を読んでみたい。

12月15日(日) 

このところ買った本。福井晴敏『亡国のイージス 下』(講談社文庫、350円)、池波正太郎『仕掛人・藤枝梅安 梅安最合傘』(講談社文庫、250円)、阿佐田哲也『ああ 勝負師』『麻雀狂時代』『麻雀放浪記 4』(全て角川文庫、300円)、日本プロ麻雀連盟編『麻雀脳力』(徳間文庫、250円)、ホフマン『スキュデリー嬢』(岩波文庫、250円)、森銑三・柴田宵曲『書物』(岩波文庫、390円)、E・S・ガードナー『ビロードの爪』『幸運な足の娘』(創元推理文庫、共にタダ)。

・・・せめて冬の夜は、布団にくるまり、携帯も切って仕事も家族も忘れ、BookOffで買ったしょうもない古本を読んでいたい・・・・。

小柴昌俊『ニュートリノ天体物理学』(講談社ブルーバックス、900円)、銀星将棋1000円@Vectorは息子のため。

12月13日(金) 快晴

雪のあと冷え込みが厳しい。

このところ買った本。メーテルリンク『青い鳥』(新潮文庫)、J・バリ『ピーター・パン』(新潮文庫)、鼓直編『ラテンアメリカ怪談集』(河出文庫)、荒俣宏編『アメリカ怪談集』(河出文庫)、内田百間『阿房列車』(旺文社文庫)、内田百間『冥途・旅順入城式』(岩波文庫)、保阪正康『瀬島龍三 参謀の昭和史』(文春文庫)以上で、900円也。福井晴敏『亡国のイージス 上』(講談社文庫、695円)、William A. Sands "Computerized Adaptive Testing: From Inquiry to Operation"(American Psychological Association)約3400円@アマゾン。最後のCATに関する本だが、なかなかの良書のようだ。英語と数学をクリアすれば(笑) A4版の大冊。

12月12日(木) 晴れ

やっとこさ4日勤め上げた。週も後半になると、なんとかかんとか週末までたどり着けるという希望が持てる。さて、

なぜかこのところ麻雀にはまった。といっても雀卓を最後に囲ったのは約20年前のことになるだろうか、遥か昔に熱海の社員旅行で余興に牌を握ったのが最後である。(賭け事は余り好きじゃない)そのときは、たしか大負けするでなく、大勝ちするでなく、確か、ほどほどだった記憶がある。それで十分だ。そういう人生なので。でもって、今麻雀にはまっているというのは、麻雀本と、ネットゲームであります。(中断)

12月8日(日) 曇り

どんよりと曇った肌寒い師走の朝だ。

昨日はかねたくさん主催のオフ会。朝方急な仕事が入り自宅のPCでデータ加工を余儀なくされ、第一会場の東京藝大美術館には大幅遅刻。残念だが私は「ウイーン美術史美術館名品展」を見送ることにした。もっとも西洋美術史と本格的に格闘するには知力・気力の衰えのはげしい今日この頃であるが(笑)。迷路めく小路をかねたくさんの先導で上野から本郷界隈へと向かう。次なる会場は、東大裏手の弥生美術館・竹久夢二美術館立原道造記念館。念願の立原道造記念館に訪問できてよかった。展示されている第一詩集『萱草に寄す』特装本・楽譜本や第二詩集『暁と夕の詩』A版・B版(異装本)の実物をみることができた。なんという素敵な用紙・活字・レイアウト・装丁・製本だろう!今日立原の詩は文庫や角川版の全集などで容易に読むことができるが、オリジナルの雰囲気そのままの復刻版がもっと安価に手に入れることができたらなあ、とため息をつくことであった。記念館には、散歩詩集などの復刻版やいくつかの詩稿の複製が販売されていたが、胸がいっぱいになってなにも買わずにでてしまった。過去の特別展示の目録も一冊2200円程度で販売されていて、水戸部アサイさんが1995年に亡くなられたことを知った。

弥生美術館付設?の喫茶店2階で、かねたくさん・やっきさん・藤原龍一郎さんと歓談。さすがにみなさん造詣が深い。東京大震災にまつわる話題他。窓の外は冷たい雨が降っていた。

第3会場は、根津駅そばのちゃんこ鍋専門店「土俵や」。ここから参加した雅洋さん・熊襲さんを迎えて大いにムードが高まった。会たけなわの頃合を見計らい、かねたくさん主催の本のドラフト会議が催された。これについてはかねたくさんが読前読後で詳細なレポートを書いておられるので、ここでは割愛する(笑)

やりとりがなかなかスリリングだったこの交換会。入手した本は、大崎善生『将棋の子』(講談社)・梅原猛『日本学事始』(集英社文庫)・黒須紀一郎『役小角』第1部・2部・3部(作品社)、福島次郎『三島由紀夫 剣と寒紅』(文藝春秋)。(逆に私がトレードに出した本は、古川日出男『アラビアの夜の種族』・井伏鱒二『荻窪風土記』・和田誠『倫敦巴里』+関川夏央・谷口ジロー『「坊ちゃん」の時代』であります) 読むのが楽しみだ。

また、遠く渋茶庵さんからは『BOOKISH 第3号 特集木山捷平』(ビレッジプレス)を恵贈いただき、歌人藤原龍一郎さんからは、御著書『東京式』(発行北冬舎・発売王国社)を頂戴しました。この場を借りて御礼申し上げます。

二次会?は、雅洋さん・熊襲さんと3人で新宿ゴールデン街「深夜プラス1」。ご存知内藤陳氏の経営するバーであります。(かつて私も『読まずに死ねるか』(集英社文庫)を愛読したことがあります。)3人で気炎をあげているところへ内藤陳さんも登場し、おおいに盛り上がった。

12月7日(土) 曇り

シンドイ一週間を乗り切って、やっとこさ週末だ。次から次に難しい課題が押し寄せてくるぜ。

昨夜は、虎ノ門JTビル内の黄鶴楼にて忘年会。日頃この界隈にはほど遠い人間なのでこのビルも初めてだが、某省の高級官僚M君の解説によると、専売公社時代からの儲けをまるごと注ぎ込んだ傑作なのだそうだ。広いロビーの中央部は吹き抜けになっていて、アトリウムの中央に位置する中庭は、ほの暗くどこか日本庭園の侘びすら感じさせる。その中庭は総ガラス張りの池になっていて、白い巨大なオブジェが滑らかな水のなかで戯れるかのように佇んでいる。はあ〜(笑)思わずため息をつく美しさだ。今朝HPで調べると、フランスの彫刻家マルタ・パン氏のオブジェの由。

若くて前途洋洋の法曹関係者が多く多少とも場違いな感もなくはなかったが、才能と野心の両方をそなえた若者たちをみているとすがすがしい気分にもなった。

吉祥寺外口書店の文芸の棚で、竹熊健太郎・杉森昌武『萬有ビンボー漫画大系 四畳半という楽園』(祥伝社、500円)をみつけて躊躇わず購入。職場から忘年会会場までの行き帰りに電車のなかでも読んだがさすがに混み合った電車のなかではちょっと恥ずかしい。書評ページはこちら。戦後の青春とビンボーの関係を、社会学的アプローチで深く考察し、各種のリファレンスをつけた快著である。なにしろ登場する漫画がすばらしいではありませんか。水木しげる、東海林さだお、松本零二、つげ義春『無能の人』『義男の青春』あたりはもちろんのこととして、私も20代後半の一時期に愛読した前川つかさ『大東京ビンボー生活マニュアル』もしっかり解説してあるし、最近ちくま文庫におさめられネットでも話題になった『ダンドリくん』の著者泉昌之の『ビンボリくん』やネットでも傑作との誉れが高い業田良家『自虐の詩』、とがしやすたかの『青春くん』、矢野健太郎『ネコじゃないもん!』、西岸良平『三丁目の夕日』(※初期作品が好き)、小生未見の鈴木翁二、いやもうそのほかありとあらゆる戦後青春ビンボー漫画の大全であります。

12月5日(木) 快晴

なんともしんどい師走の今日この頃だ。戯れに過去の読書日記を読むと、昔は若かったなあ、なんて。

William A. Sands "Computerized Adaptive Testing: From Inquiry to Operation"をアマゾンに注文した。約3400円くらい。本国のアマゾンでは、目次や巻頭部など16頁が立ち読みできる。けっこう便利だ。3400円の原書ともなればこれくらいの情報がないと1クリックボタンを押す勇気がない。 年末年始は、テスト理論の将来にむけてこの本を研究してみよう。

他に、上前淳一郎『太平洋の生還者』(文春文庫、100円)@りぶるりべろ。

 

12月2日(月) 快晴

このところ買った本。クライブ・カッスラー『マンハッタンを死守せよ』(上・下)(新潮文庫、計1372円)、篠田節子『アクアリウム』(新潮文庫、240円)『神鳥(イビス)』(集英社文庫、270円)『ゴサインタン 神の座』(文春文庫、400円)、角田房子『いっさい夢にござ候』(中公文庫、200円)、今日出海『悲劇の将軍 山下泰文・本間雅晴』(中公文庫、200円)、袖井林二郎『拝啓マッカーサー元帥様 占領下の日本人の手紙』(中公文庫、300円)。

 

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