9月30日(月) 曇り

一昨日。御茶ノ水駅から神田古書街まで坂をくだり、三茶書房から順に巡回。小宮山書店の特価本会場など。店の名を確認し損ねたが店頭本の趣味がえらくいい店があった。そこで中村稔『浮漂蕩(ふはんひょうとう)』(思潮社、1991年)を800円で、『世界名詩集大成7 ドイツ2』(平凡社)を300円で。時間がなくてこの店は店内に入りそびれたが後日再訪しよう。ちなみにあとの本は帰宅したら自宅にあった(笑)。ホフマンスタールやゲオルゲの詩集が丁寧に収められてなかなかの本です。黒川博行『疫病神』(新潮文庫、350円)。

この日は、このところよくいく神田の居酒屋『紙風船』でとある素敵なサイトのオフ会にモニター?参加。テーマは軍事・戦史・歴史。熊襲さんを幹事役として、ATFの戦争映画観戦記を運用していらっしゃるATFさん、夏9000さんのお二人をゲストに迎えた。いやあ、単に戦史・軍事にとどまらず造詣の深いこと深いこと。世界史・日本史の知識と見識に舌を巻きました。わたしなんぞはもう拝聴するのが精一杯でした。

Kさんからは荒山徹の新作『魔岩伝説』(祥伝社)・島内恵二『文豪の古典力』(文春文庫)などを頂いた。

昨日は仕事。チャーチル『第二次大戦回顧録 抄』(中公文庫、400円)@外口書店。

DVD『パニック・ルーム』、DVD『ビューティフル・マインド』どちらもまずまず。『ビューティフル・・・』では、主人公ナッシュの妄想の世界が、現実世界と区別されることなく描かれる。病に苦しむ主人公とその妻の闘病の年月を誠実に撮れば撮るほど、病は克服さるべき疎外された状況とうつる。そのあたりが意外に健全な映画で、それがつまらなかった。DVD『マルコビッチの穴』、何が面白いのかようわからん。途中で中止。

9月も終わりか。

9月28日(土) 

雨で次男の運動会延期。夕方からKさんの某サイトオフ会にモニター?参加の予定。ついでに神田古書街を覗いてこよう。

黒川博行『麻雀放蕩記』(双葉文庫、240円)@外口書店。麻雀他ギャンブルを扱った短編集。阿佐田哲也以降麻雀小説や麻雀マンガは巷にあふれていて、ちょっとやそっとでは食指がのびないが、これは面白かった。

石川英輔『大江戸生活事情』(講談社文庫、200円)。雅洋さんお薦めの一冊。江戸時代を暗愚・蒙昧の時代とはもとより思っていないが、生活・経済・行政の各分野で、具体的に江戸時代を考察しているのが分かりやすい。江戸という町のエコロジカルな特性については今後も再評価が続くだろう。

池井優『駐日アメリカ大使』(文春新書、200円)@藤井書店。昼休みのお供にマクドナルドで速読。ライシャワーやマンスフィールドの功績など。

石田晴久他『入門 ANSI-C』(実教出版、900円)@BookOff。意匠を凝らした最近の本より教科書然としたこの種の本のほうが馴染める。分かるかしら?

吉川英治『宮本武蔵(一)』(吉川英治歴史時代文庫、699円)@三省堂。長男がマンガ版宮本武蔵『バガボンド』にハマっているので原作本でもと購入。読むかしら?

厄介な仕事が一段落して小休止。明日からまた忙しい。

9月26日(木) 曇り

黒川博行『大博打』了。奇想天外な誘拐劇、誘拐された富豪老人の豪放ぶりなど、天藤真『大誘拐』に似ているかなあと読みすすめていたら、件の老人が犯人に『大誘拐』の差し入れを要求する場面があったりして笑える。刑事たち、誘拐犯と富豪老人などの大阪弁の掛け合いが面白い。まずまずのミステリーだった。

ADSLを8Mタイプに切り替えたが、局から遠いせいもあって意外に伸びなかった。3Mbpsを切る程度のスピード。まあいいか。

9月25日(水) 晴 下手の横好きC言語

タイプデザイナー鈴木功氏のHP『Type Project』。毎日更新の「もっとことばを!」にハッとさせられる。昨日は、
どんなつまらない雑草でも花でも、懐かしい日記の一片となり得るのである。それは、幸福な瞬間の思い出を呼び返すものは、一つとして無意義ではあり得ないからである。   ゲーテ

時々無性にプログラミングの世界が恋しくなる。先日買った日経ソフトウェア別冊「ゼロから学ぶC++」 についていたフリーのコンパイラBorland C++ Compiler5.5(これを添付してるC言語の入門書が結構多い)で、超簡単なソースプログラムを書いてコンパイルすると、おう!ちゃんとexeファイルが動いた。という訳で、約十年前の三田典玄『入門 C言語』(アスキー)などを引っぱり出し、性懲りもなくかじり始めたところ。

これと関連して、河西朝雄『はじめてのアルゴリズム入門』(技術評論社、100円)と、石村貞夫『マンガ統計手法入門』(CMC、100円)をBookOffで。黒川博行『大博打』(新潮文庫、552円)は激務?の気分転換に。

9月22日(日) 曇りのち雨

空模様が怪しいので行楽取りやめ。散歩がてら練馬駅そばの「古本・遥」「一信堂書店」「Book Off」、中村橋そばの古本屋2店を冷かすが感興をもよおす本なし。小堀憲『大数学者』(新潮選書、100円)とクライスト『壊れ甕』(岩波文庫)を拾って、帰りの車中で読む。高野台三省堂で長いこと粘り、新刊の棚に芳賀徹『詩歌の森へ』(中公新書、940円)をみつけた。日経新聞日曜文化面で、1999年4月から2001年12月まで連載されたコラムが本になった。連載中は、日曜の朝のささやかな慰めだった。こうして新書にまとまるのはうれしい。

9月21日(土) 晴れ

深夜帰宅した。運用中の学習サイトに障害が発生したようでメールに苦情が入っていた。やれやれと深夜に提携会社にメールを書いた。寝不足の重たい頭で起床。朝方本棚が到着。文庫本専用の本棚から本を取り出し別室に移し、本棚群を交換して、再度本を並べる。このところこんなことばっかりやっているが、まあ片付いたのでよしとしよう。サイトの障害のほうは、沖縄やら携帯やらあちこち電話して昼過ぎに復旧。昼寝と夕食のあとに、ツタヤにいって『コラテラル・ダメージ』『エネミー・ライン』他を借りる。『コラテラル・ダメージ』は消防士役のシュワちゃんが妻子をテロで奪われ、単身コロンビアのゲリラの巣窟に乗り込む。わりと単純な復讐劇と思いきや、後半意外な展開もあって楽しめた。一杯食わされました。

9月20日(金) 晴れ

今日は深夜までお仕事の日。鬱々として楽しまないが、これからお出かけ。秋晴れのもとでチャリンコ漕げば元気もでるかも。黒川博行『カウント・プラン』(文春文庫、230円)。このところミステリーには疎いが、これは意外に面白い。マニアな男たちが犯罪に巻き込まれるの図。

なんとか今日を乗り越えて、連休どこかに日帰り小旅行でもしてみよう。

9月19日(木) 曇り

昨日の昼休み、吉祥寺は五日市街道沿いの藤井書店にふらりと寄ったら、小堀桂一郎『宰相 鈴木貫太郎』(文春文庫、180円)が目に留まった。鈴木貫太郎の評伝というのが珍しいのでオヤと思ったまでで、この本の存在すら知らなかった。昭和56年に『諸君!』に分載されたもので、第14回大宅賞の受賞作であるという。筆者の小堀桂一郎氏は、昭和8年の生まれというからまだそれほどの高齢ではない。東大駒場で比較文学・比較文化の教鞭をとっていたころの著作である。今、第2章「哀悼の辞」まで読み終わったところだ。終戦の年の4月、米国大統領ルーズベルトの死去に際して、敵国の首相鈴木貫太郎が深い哀悼の意を表したことが世界中のマスコミや文化人を驚かしたとの記述は、先日再読した阿川弘之『米内光政』にチラリと書いてあったが、その仔細が判明した。週末にでも別途書きたい。

他に黒川博行『燻り』(講談社文庫、250円)

相変わらず難しい仕事が山積してあまり楽しくない日々であるが、そうしたなかにも仕事の喜びはある。まあ、辛抱すれば、また美しい秋の季節は来るだろう。

9月16日(月) 曇り

昨日のBookOff。かねたくさんお勧めの黒川博行『文福茶釜』(文春文庫)、雅洋さんお勧めのアーチャー『十二の意外な結末』(新潮文庫)、高橋健二編訳『ゲーテ格言集』(新潮文庫)、しめて550円。このうち、『文福茶釜』を早速読み始めた。なるほど、面白い。欲の皮がつっぱった人間同士の古美術贋作をめぐるコン・ゲーム。巻末に挙げてある参考資料、美杉隆敏『真贋ものがたり』(岩波新書)は以前新刊のときに読んだ覚えがある。

ツタヤにいって『ビューティフル・マインド』を探したが全部貸し出し中。代わりに『シン・レッド・ライン』を観た。テレンス・マリック監督の20年ぶりの映画とか。太平洋戦争時のガダルカナル島における日米両軍の激闘を描く。兵士によりそい匍匐するカメラの動きが静謐な恐怖を誘う。ガダルカナル島の原住民や自然の風物が美しい。★★★★

ADSLの回線を8Mbpsに切り替える申し込みをした。それから近くの家具屋で本棚を買った。本棚に4〜5万円も払うほど酔狂じゃない。花より団子で本を買うほうがまし。横85奥行30高さ180、棚板2枚をオプションに加えて税込2万円弱。文庫収納用にしたい。

Excel VBA は、オブジェクト指向が分かりづらい。

9月15日(日) 曇り

(備忘) 林達夫と東方社。多川 精一『戦争のグラフィズム―『FRONT』を創った人々』( 平凡社ライブラリー )。

9月14日(土) 曇り

◆人生の秘鑰(Eさんへの公開回答状)  ええっと、夫婦生活についてその真実を語った夫はいない、とは誰の言葉だったけな。忘れた。ともかく、結婚という人生の秘鑰についてはかつていかなる夫もその真実について黙して語らなかったわけですよ。見るまえに跳べ。(かつての独身時代、小学6年生の受講生の母親との面談で、「でも先生は独身ですし・・・」と言葉を濁らせたお母さんがいました。まあ、大体事情は想像がつきましたけどね。私だって石部金吉ではありません、それなりに機微は理解していたのですが。そう、結婚していない男というのは、女子の母親にとっては危険で粗暴なオス、とまではいいませんが、おんなに関する微妙な機微は理解できないと、そう思われている節もあるのでした。)

◆EXCELの魔術師 このところ自分でこう自称している(笑)。別名、EXCELの天才(また笑)。ときおり髪の毛をかきむしりながら、ああ俺はEXCELの天才だあ、と絶叫したりして、職場の若い子たちの顰蹙を買ったりしている。そんな俺だが、恥ずかしながらVBA・マクロ全般には弱い。おおっしゃ、というわけで瀬戸遥『10日でおぼえるExcel VBA 入門教室』(翔泳社、2800円)を高野台三省堂で買い求め、本日無事第1日目を読了した。好著と見受けた。

9月13日(金) 曇り

昨夜は、地元の校舎で若い社員(校舎責任者)と担任スタッフ2名といっしょに受講生ひとりひとりについて志望校・学習状況を徹底討議。閉会は夜11時。

第一感、彼らは受講生ひとりひとりをよく把握している、もうひとつ、首都圏の大学の個々の特性や入試事情をよく把握している。たいしたもんだ。老兵のでる幕ではない。老兵のがんばるべきところは、後方支援、すなわちデータの整備、システムの開発、ユーティリティの供給、他。私だって現場時代の受験指導の苦い思い出の数々が現在の仕事の原動力になっている。受験指導ほど難しいしごとはない。

今日は、朝、都内で用をすませ、午後から深夜までの勤務になる。老兵にはこのところのハードなスケジュールがいささか堪えている。

9月10日(火) 曇り 

粉川哲夫は、私をHPづくりに邁進させた『もしインターネットが世界を変えるとしたら』(晶文社)の著者である。わたしのリンク集からこっそりリンクを貼らして頂いている。最近の映画批評は、HPのなかの『いま見たばかり・シネマノート』。硬派の批評に舌を巻く。そうか、映画はこう観ることもできるのかと感心する。主要な著作も、HTMLで公開しておられる。

吉野裕子『ダルマの民俗学 陰陽五行から解く(岩波新書、300円)@りぶる・りべろ。昼休みにざっと目を通した。

9月9日(月) 曇り 夜の想い

低調な日曜であった。自宅そばに三省堂ができて、うれしくて週末は必ず新刊を見にゆくが夥しい平積みの文庫にいささか酔っても肝心の一冊にめぐり合わないですごすごと帰る。万事がそんな感じの、どっちつかずの休日だった。

生活と仕事と健康と。なにかと揺れ動く年頃だから低調もしかたがないか。 昼寝をしたので夜目が冴えた。ディルタイ『体験と創作』、下巻のノヴァーリスの章を少し読んだ。ディルタイの手になる、このような優れた解釈学的ノヴァーリス論があることを、今日の今日まで知らなんだ。ゾフィーという十歳年下の少女との邂逅から始まる清澄な悦びの日々。ゾフィーの病、手術。そして夭逝。

ここから、深夜、想いは本を離れ、私の個人的なゾフィー体験に向かった。昭和46年(中学3年)の秋の三歳年上の少女との出会い。夜更け、不思議なことに、そのときの体験がまざまざと瞼の裏に再現できた。そうだった、あのめぐり合いの瞬間に世界は変わったのだった。海も、空も、雨も、木々のざわめきも、岬も、夕日も、父母とすむ家庭も、すべて出会いの喜びをいっしょに喜んでくれたのだった。

初恋は、約4年間持続した。

ああ、あの出会いから31年が過ぎた・・・。

高橋克彦『白妖鬼』(講談社文庫)読了。これもなかなか面白かった。今週は陰陽五行に関する本を探してみよう。

9月7日(土) 曇り

早朝に目覚めた。午後、池袋ビッグカメラにてNTT-ME製のルータを買い求め、都内某所にてネットワーク他の作業に従事。週末誰もいないオフィスでコンピュータと向かい合うのも悪くない。帰路、神田三茶書房にて、外村繁『澪標・落日の光景』(講談社文芸文庫、300円)。神田に寄り道してたったこれだけというのが、そもそも昨今の低迷ぶりをよく表している。新刊はおろか、古本にまで触手がのびなくなった。積読本一掃(→郷里に送る)が精神的によさそうだ。

熊襲さん・雅洋さんが褒めている高橋克彦。十年前ほど、総門谷かなにかを読んで、半村良の亜流じゃないかと途中で投げ出して以来、あまり関心がなかったが、なるほど『鬼』(講談社文庫)はなかなか面白い。私もそれなりのすれっからしだが、意外にワクワクする。山川の日本史教科書で古代・中世を復習したくなる。所詮伝奇小説は伝奇小説にすぎないが、外の世界、すなわち正統の歴史や精神史にまで欲が向かうということがあるとすれば、それは伝奇小説の徳であるなあ。原始仏教や山岳宗教、密教、陰陽五行、道教など、とうの昔にふりすてた領域にふたたび欲望がムラムラ。長年アプローチしそこなっている吉野裕子女史の一連の著作(人文書院ほか)に沸々と関心が沸き起こった丸の内線の車中でありました。

9月6日(金) 

雨か・・・。通勤がユウウツだが、気分には合っている。

雅洋さんが山本七平をわが師と呼んで激賞しておられることもあって、山本夏彦・山本七平の対談『夏彦・七平の十八番づくし』(中公文庫、1990年)をめくった。第3回目の対談「死んだ人生きてる人」が傑作、奔放このうえない。七平氏の遠縁だという山田吉彦(きだみのる)の奇行を懐かしみ、はて、話はやおら明治に飛んで、蘆花・蘇峰・独歩らのエピソードがぞくぞく、石川啄木と金田一京助の美しい友情(そういえば私の子供の頃、金田一京助ってTVのクイズ番組の常連だったな)に及ぶ。いったいこのお二人いつの時代のひとなんだろうと、そんなことを久世光彦も書いていたっけ。

9月5日(木) 曇り

昨日は、朝・夜と2回都心に出かけた。深夜のオフィスでただひとり、行く末来し方を想うのも悪くない。

車中で、クリス・ライアン『襲撃待機』(ハヤカワ文庫)を読む。なるほど、旅人さん・熊襲さんというふたりの手足れが褒めるだけのことはある。作戦の細部が実によく描けているし、主人公に自然に感情移入できるほど、人物描写も的確だ。著者は元SAS隊員で、処女作は湾岸戦争時のイラクからの脱出行を書いたノンフィクション『ブラボー・ツー・ゼロ 恐怖の脱出行』。元軍人がこれだけの小説を書けるところに英国の懐の深さを実感する。

9月3日(火) 

9月になっても相変わらず8月中旬のような暑さである。空気が澄んで日差しが鮮烈であるだけにいっそう暑い。なんのかんのいいながら、この暑さのせいでボルテージが随分低い。今年は海にも山にも郷里にもましてや海外にもいかず、自宅近辺と池袋と神田界隈で終わってしまったが、夏らしい体験をしなかった後悔もぼんやり心に引きずっている情けなさである。

仕事はまあ仕事、生活もまた生活、合間でお勉強するといったって、ヘロヘロ頭とぐったり体じゃたかが知れてるし、疲れて帰宅して酎ハイ飲んで、観る映画は『ダーク・エンジェル』、ジェシカ嬢といっしょに英会話の勉強するんだなどとおじさん特有の言い訳をしながら。早朝起きたって、家族共々学校・仕事と気ぜわしいのでゆっくり本に集中することもできないし、我が家のタマちゃんならぬイグちゃんの世話もしなくちゃならぬ。とてもとてもディルタイ『体験と創作』でドイツ・ロマン主義のおさらいなどできる気分じゃない。

先週土曜、Iさんに案内してもらった神田三省堂裏?の夢の棲む一角、古風でシックなバー『ラドリオ』。近くにはかの旧ランボオ(現ミロンガ)があって、そこは例の書肆ユリイカ(伊達得夫)、昭森社(森谷均)のあったビルだという。戦後間もない頃の文学の夢が棲んでいた一角だ。ミロンガのほうは相次ぐ改装で昔を偲ぶよすがもないそうだが(Iさん説)なにはともあれなぜか懐かしい一角であった。http://www.jazzsoda.com/milonga.htm

 

9月1日(日) 晴 人生ぼちぼち

昨日は神田「紙風船」にてオフ会。雅洋さん・熊襲さん・ Iさん(順不同)という異色の顔合わせ。

この手のオフ会に参加していつも思うことなのだが、なにしろ高射砲のように話題が百出するので、あとになって振り返ると作家の名前や本の題名など細かいところがよく思い出せない。メモでもとりながら参加すればいいのだろうが、当方とて酎ハイをあおっている身、そうもいかない。江戸の思想家たち、出版社事情・編集者群像。作家論さまざま。なかなか楽しい数時間であった。

帰路、Iさんと岩波ホールそばの古風なバーに立ち寄る。Iさん曰く、武田泰淳がカウンター越しに百合子さんを口説いた店とのことだ。店名失念してしまった。(Iさんが再度メールで「ラドリオ」の旨教えてくれた。)

行き帰りの車中で『EXCELで楽に学ぶ多変量解析』に目を通す。神田三省堂にて、ディルタイ『体験と創作 上・下』(岩波文庫、1300円)。由里葉さんが購入されたとのことで、気になっていた本。上巻はレッシングやゲーテなど、下巻は、ノヴァーリスとヘルダーリンの2詩人を扱う。ヘルダーリンの章が小牧健夫訳で、ノヴァーリスが柴田治三郎訳。師弟二代による訳本である。同じ岩波文庫の復刊では、ノヴァーリスの『夜の讃歌』も揃えておきたいところ。

熊襲さんからは、秋山駿『信長』(新潮文庫)や高橋克彦『炎立つ (1〜5)』(講談社文庫)を譲り受ける。わたしはIさんに、山口瞳『憂愁日記』『極楽蜻蛉』の日記2冊を進呈。

明日からまた忙しい週になる。まあ、人生ぼちぼちとやっていこう。

 

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