8月29日(木) 快晴 人生ぼちぼち日記

また今日も暑くなりそうだ。夏の終わりの残暑の厳しさは嫌いではないが、仕事漬けの毎日では些かこたえる。角田房子『責任 ラバウルの将軍今村均』(新潮社、750円)@吉祥寺BookStation。『江戸期の思想』(伝統と現代No.22号、200円)。これは明後日のオフ会に備えて。

職場のEさんも終戦ものにのめりこんでおられる。半藤一利『日本の一番長い日』をザウルス文庫で読破された由。こちら。同氏の鈴木貫太郎を扱った著作『聖断』は吉祥寺BookStationに600円で置いてあった。敗色濃い終戦間際、ルーズベルトが死去した際、丁重この上ない哀悼の意を表して、世界中のマスコミを驚かせたのが鈴木貫太郎だな。

8月28日(水) 曇り 大岡昇平という謎

『レイテ戦記』もようやく中巻半ばにさしかかった。といっても類稀なほど情報のつまったこの戦記の全貌をたやすく語るほど私の筆は豊かではない。事実、今、わたしにとっての大岡昇平の全体像ははげしく揺れ動いている。それほど、この作品は衝撃的である。そもそもわたしは大岡昇平の良い読者ではない。長年敬慕しているわりにはろくに読んでいない。『俘虜記』も『野火』も『武蔵野夫人』もろくに完読していないのだからまったくもってお話にならないのだが、じゃあ大岡は遠い存在かといわれると、そうでもない。『萌野』という好きな小説がある。『成城だより』全3巻は、わたしの青春期の読書習慣を、中年期まで繋げてくれた貴重な日記である。昭和が終わる頃上梓された『昭和末』は、当時のわたしの同時代の精神そのものだった。なにより『中原中也』へ捧げた一連のオマージュが親しかった。『事件』も、当時の映画ブームもあったが、楽しく読んだ作品である。スタンダールに関しても、『パルムの僧院』他、大岡の影響下にあって読んだのか、そうでなくたまたま後日符号が一致したのか、定かでないが、スタンダーリアン大岡にはずっと敬意を評してきた。

その大岡昇平の、『レイテ戦記』なのであった。この書の全貌を語れるほどわたしは大きくない。器は大きくない。

※吉祥寺さかえ書房、『成城だより』(文藝春秋、全3巻、1600円)ヤヤ難アリ?が本日店頭にあり。

8月26日(月) 曇り

この間、買った本。『1億人の昭和史2 二・二六事件と日中戦争』(毎日新聞社、500円)。保坂正康『陸軍省軍務局と日米開戦』(中公文庫、240円)、堀栄三『大本営参謀の情報戦記』(文春文庫、180円)。引き続き、『レイテ戦記』読書中。

アマゾンからは、池谷祐二『記憶力を強くする』(ブルーバックス、980円)、同『最新脳科学が教える 高校生の勉強法』(ナガセ、900円)。筆者は東大薬学部で脳科学と記憶のメカニズムを研究する今年32歳の俊英。各界で世評の高い本だ。

昨日、暑さのぶり返した日曜日、汗だくになりながら文庫本の目録入力。もの好きだねえ(笑) こちらに。(Windows+InternetExplorer5.5?以上。Macでは未確認)このリストがモバイルで検索できればいいのだが。

8月22日(木) 曇り

若い女性は溌剌としてていいなあ。楽しそうだなあ。屈託がないなあ。おじさんは疲れました。はぁ。

大岡昇平『レイテ戦記』読書中。余りにも重たいテーマなので長いこと手付かずだったが、いざ読み始めると緊密な構成・緻密な文体はさすが。

DVD『スペース・カウボーイ』★★★★ ●DVD『インビジブル』★★ 児島襄『昭和天皇 戦後第1巻』(小学館、300円)@吉祥寺。ざっと目を通す。

父の命日。

8月17日(土) 曇り 映画『東京裁判』

夏期休暇3日目。とうちゃんは東京でお留守番である。先日、Iさんに教えてもらった小林正樹監督畢生のドキュメンタリー『東京裁判』(1983年)を池袋文芸坐に観にいった。朝9:20の回だが、7割がた観客がうまっている。異例の大入りではないだろうか。60代以上の年配の方がとても多い。中にはご夫婦で観に来られた方々もいらっしゃる。十代から二十代の観客がほとんどいない。映画館の観客構成としてはこれも異例のことと思うが、妙にうれしくなった。それにしても文芸座で映画を観るなんてひょっとすると15年ぶりくらいか?威張れたものじゃないが、ともかく新装開店はかつての常連としてとてもうれしい。昔々はお世辞にもキレイとはいいがたい映画館だったが、今日久しぶりに席につくと、イスはゆったりと快適で、前の席との余裕もたっぷりとってある。遮光にも十分配慮がなされていて本編がはじまるとスクリーン以外は暗闇に沈む。なるほどこれなら新文芸坐のキャッチフレーズ「感動はスクリーンから」も頷けるところだ。

本編が始まると佐藤慶のナレーション以外咳払いひとつ聞こえない。4時間半も集中できるか自信がなかったが、結果としてはぐいぐい引き込まれて最初から最後までじっくり観てしまった。間違いなく★★★★★の大作である。日中戦争から太平洋戦争そして欧州の第二次世界大戦のドキュメンタリーフィルムも多数挿入されて、昭和史と当時の日本を取り巻いていた世界史の全貌がよく理解できるように編集してある。4時間37分というのはともかく長尺で、これだけ時間があれば戦争と革命の二十世紀を総括できそうに一見思いがちだが、実際は容易なことではない。裁判のドラマ性を損なわずに映像で二十世紀を総括したあたり力量並々ならぬものがあると思った。

映画と映画館に大満足して文芸座から線路沿いを歩いて光芳書店(東口公園支店)に立ち寄る。店頭本に、山口瞳『還暦老人ボケ日記』(新潮社、1989年)を見つけてうれしい。よく見ると、隣に同じく『還暦老人 憂愁日記』『還暦老人 極楽蜻蛉』も並んでいるではないか。1冊200円のシールが貼ってあったのでこりゃいいわいとレジに持っていったら、3冊で200円とのこと。(=つまり@税込70円) 2度びっくりであった。探求書だった『ボケ日記』が加わり晩年の4冊の日記シリーズがやっと揃った。今日見つけたあとの2冊はすでに持っているので、どなたかへの献呈本としよう。美本・帯つきだよ。気をよくして大岡昇平『レイテ戦記』全3巻(中公文庫、880円)も買っておいた。

8月16日(金) 曇り

駅前三省堂にて、遠山茂樹・今井清一・藤原 彰『昭和史』(岩波新書、780円)。支配階級VS人民という史観が教条的で鼻につかなくはないが、客観的な昭和史概括ということで拾い読みしている。

半日、妻子のグアム旅行の準備。夕方より家族4人で成田空港に向かう。冗長経費節約で京成線スカイライナーを敬遠し、日暮里から通常特急に乗った。2000年5月に送迎にきたとき以来2年ぶりだ。出発ロビーの上階にて食事したのち、見送り。天気がいいことを祈る。長い車中で『米内光政』読了。提督三部作のなかでも一番読み応えがある。

雅洋さんの掲示板をリンクに加えた。Yoさんの「ドイツ・イギリスの旅」興趣深し。

DVD『ダーク・エンジェル Vol.5、Vol.7』★★★ DVD『48時間』★★ 昔観たWater Hill 監督のカーアクション『ドライバー』はロサンゼルスの夜景と疾駆する車体が美しい映画だったが、これはいまいち。

8月15日(木) 晴れ

さすがに夜更けに虫の声を聞く季節になった。今、遠くで雷鳴がきこえる。

鳥巣建之助『太平洋戦争終戦の研究』(文春文庫、200円)を一通り読み、阿川弘之『米内光政』を再読。週末の小林正樹監督『東京裁判』(於:池袋新文芸座)に備える。

宇多田ヒカル『First Love』750円。井伏鱒二『荻窪風土記』(新潮社、100円)はBookOffで。荻窪風土記は再版・帯なしだが、函・本冊とも美麗。どなたかへの献呈本として。

明日から妻子はグアムへ旅立つ。ネットを使って情報を集めること夥しい。当方もずいぶん耳年増になった。たいていの情報はネットで収集し、ネットで決済できるようになってずいぶん便利だが、情報の選別と整理が難しい。

 

8月12日(月) 曇り

夏季休暇まであと2日。課題山積で頭が痛いがなんとか乗り越えよう。

昨日。池袋サンシャインでパスポート受け取り。サンシャインでは小さい子供づれ、アベックの多さに驚く。のち、志木駅近隣のIさん宅再訪。もてなしに深謝。読書談義に花咲いた4時間であった。帰路、成増駅南口で、西の空に輝く三日月と宵の明星に心洗われた。

DVD『ダーク・エンジェル Vol.1』★★★★ ジェシカ・アルバに夫婦ではまった(笑)

日経日曜版の人気コラム『描かれたエルダー』が本にまとまった。文学や映画のなかの老いや老人を渉猟して、現代における老いのあり方を考えるコラム集。『カミーラ・あなたといた夏』や『ナビィの恋』はこれで知った。

8月10日(土) 晴れ

雲ひとつない真っ青な空、のような一日。猛暑のなかにも秋の気配は忍び寄る。風がそうだ、日差しがそうだ。遠い昔の夏休みの一こまを思わせるような、なんだかノスタルジックな一日だった。次男が伊豆の臨海学校から帰ってきた。親父は伊豆にはいったことがない。その伊豆で、1.5kmの遠泳を泳ぎきったのはエライ。親父のしたことのない経験を積み重ねて、たくましく成長して欲しい。

角田房子『一死、大罪を謝す 陸軍大臣阿南惟幾(新潮社、1980年)400円@吉祥寺。先日の中国総領事館での亡命騒動で阿南惟幾の六男のことが話題に上がっていた。先日、神田「紙風船」でのIさん・Kさんとの放談のときに挙がった本。というわけでいくつかの古書店を巡ってなんとか手に入れた。

日経ソフトウェア編『ゼロから学ぶC++』(日経BP社、1800円)@高野台三省堂。『Cの絵本』やら『Visual Basic .NET入門 基礎編』(ソフトバンク)やら、さんざん迷った末にこの本購入。最初からけっこう難しいよ。

DVD『60セカンズ Gone in sixty seconds』★★★★ 車泥棒という闇社会で約束を違え命を狙われた弟のために、一度は足を洗った兄ちゃん(ニコラス・ケイジ)が、昔の仲間を集めて、50台の名車を一晩で盗むという無理難題に挑戦する。兄と弟、昔の女(アンジェリーナ・ジョリー)との復縁、刑事との確執、カーアクション。意外に良かった。

DVD『オーシャンズ11 Osean's Eleven』★★★

8月8日(木) 晴れ

DVD『ダーク・エンジェル Vol.2』、ジェシカ・アルバに一目惚れ(笑)ミステリアス・エキゾティック・セクシー・スマート、美しいネコのような肢体。★★★★

児島襄『東京裁判 上・下』読了。『一億人の昭和史 4〜空襲・敗戦・引揚』『一億人の昭和史 5〜占領から講和へ』(毎日新聞社、計1150円)に目を通す。一切の弁護を拒否して慫慂と死についた広田弘毅。城山三郎『落日燃ゆ』や大岡昇平『ながい旅』、阿川弘之『米内光政』あたりを読み返したくなる。

8月4日(日) 曇り それでも緑陰読書

厄介で難しい仕事がいくつかあり、短い夏期休暇(前半)の2日間を職場で過ごした。昨日から今日にかけて妻子が奥多摩のほうに小旅行にでかけたので、昨日今日と仕事は一休みすることにし、昨日新橋でおこなわれた同窓の集いも欠席させていただいて、家にこもって読書とビールと睡眠で一昼夜を過ごした。いやあひとりで過ごすと静かなもんだ。寝ては読み、醒めては読みの読書三昧である。

谷沢永一『読書の快楽』(PHP文庫、230円)。雑読学序説、蒐書学序説と読まねばソンする二五冊の三部からなる。なかなか有意義なことが書いてある。何故か元気付けられた。荒山徹『魔風海峡』(祥伝社、900円)@碩文堂(上石神井)。熊襲さんが嘗て激賞していた作家の第二作目である。時は秀吉の朝鮮出兵の時代。真田幸村は一千年前の任那府の隠し秘宝〜百八体の黄金仏〜を求めて、忍びの軍団を連れて朝鮮に向かう。その計画を察知した徳川家康は、秘宝の奪取を謀り服部半蔵を朝鮮に送る。幻の秘宝を求めて日朝の忍者軍団の凄絶な戦いが始まる・・・。てな具合の伝奇小説で、これは面白くないはずがないと目をつけていたのだが、今のところ、三分の一のところで休止中。山田風太郎ほど魑魅魍魎とした奇抜さはなく、隆慶一郎『吉原御免状』他ほど緻密で知的な楽しみは感じない。文体はまずまずだが。半村良『石の血脈』『英雄伝説』あたりにワクワクした若い日と違って、どうもこの手の伝奇小説に胸をときめかすことができなくなってしまった。古川日出男『アラビアの夜の種族』も途中で投げちゃったし。

『1億人の昭和史3 太平洋戦争』(毎日新聞社、1976年)400円@碩文堂。(上石神井駅前のこの本屋も最近は質が高くなってきた。)これも寝床で通読。(他の巻も手に入れよう。吉祥寺にある。)この伝で、買ったままになっていた児島襄『東京裁判 上・下』(中公新書)を読み始めた。小林正樹監督『東京裁判』のDVDも観たくなったが7800円では些か迷う。かつて(26年前?)映画通 I君と一緒に池袋文芸座で観た『ニュールンベルグ裁判』もビデオは廃盤になっていた。それと、これらの関連でみつけた長田幸久氏のサイト日の出講芸。「ゴーマニズム宣言」への反論が鋭く、「うるせえんだよ、CMの分際で」に溜飲を下げた。

辰野千壽『学習方略の心理学』(図書文化社、1500円)、同『個性を生かす学ばせ方 改訂版』(図書文化社、750円)はアマゾンから。

多変量解析のお勉強は一休みだが、継続して学ぼう。Kitamura氏作成のシェアウェア「Let'sStat!」をみつけて試してみたがなかなかの優れものとみた。ここ。5000円は良心的な値段。いずれ送金しよう。

本日、自宅近くのBookOffでバーゲン。ああ、売れないのね。山口瞳『年金老人 奮戦日記』(新潮社、300円)。美本。これは Iさんへの献呈本として。半藤一利監修『「文藝春秋」にみる昭和史(二)』(文春文庫)、ドストエフスキー『二重人格』(岩波文庫)、モーム『読書案内』(岩波文庫、昔岩波新書で読んだ本)計100円。ヘンリー・ジェイムズ『金色の盃 上』(講談社文芸文庫、100円)、ウェルズ『モロー博士の島』(創元SF文庫、100円)、S・ハンター『狩りのとき (上)(下)』(扶桑社文庫、200円)。50円引きのクーポンを使って、以上8冊で税込770円たらず。一冊平均97円程度と相成った。

 

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