4月1日(月) 晴れ 古本屋巡りツアー

●昨日の報告。

朝、近くのドーナツ屋さんで、近所にお住まいのS氏と歓談。S氏は、Fontの企画・デザインを手がけるタイプ・デザイナーであられる。HPはType Project

午後は、かねたくさん・やっきさんと、西武線・吉祥寺の古本屋巡りツアー。出勤前で時間がないので概要だけ書きます。

江古田:山本書店→落穂舎→Book Off→根元書房北口店
練馬:一信堂書店→古本・遙 
石神井公園:MIC→きさらぎ文庫→草思堂
立野町にて:木山捷平旧宅・辰野隆旧宅 訪問
吉祥寺:藤井書店→さかえ書房→外口書店→りぶる・りべろ→オフ会 

相当歩きましたねえ。 わたしはあまり買いませんでしたが(何故ってまた来られるもん)、かねたくさん・やっきさんは相応に買い込まれたみたいです。ちなみにわたしが買ったのは西條ふたば子『父西條八十』(中公文庫、200円)、『中世イギリス英雄叙事詩 ベーオウルフ』(岩波文庫、280円)、種村季弘『異界幻想』(青土社、1700円)だけ。

●古本屋巡りツアー補足(4月2日)

 1)ツアーの詳細については、かねたくさんのホームページ 読前読後【読書日記】や本読みは語る【掲示板】をご覧ください。
 2)今回見送ったお店
 江古田:根元書房本店(倉庫と化してるお店)、根元書房日芸前店(元 青柳書店)、落穂舎 新桜台店(電話予約要すとのこと)
 練馬:Book Off練馬区役所前店(時間の関係で割愛)
 石神井公園:石神井書林(内堀弘氏の店、目録販売専門。石神井池に散策にいくついでに店の前を通ろうと思ったのですが、散策含め時間の関係でカット)
  吉祥寺:よみた屋(「東京人」特集「古本道」で紹介された店)、BOOK STATION(一見新興系だがなにしろ本の数が多く、整理が行き届いている店)この2店は時間切れで、残念ですが見送り。

このところ、サン=テグジュペリ『夜間飛行』(新潮文庫、100円)他。

4月2日(火) 晴れ 貧乏ひまなし

なにしろ本を読むひまがない。毎朝朝7時には起きる。春休みでなにかとごたごたしていてHPの更新くらいしかできない。9時出勤。夜10時帰宅。疲れ果てていてしかもこのところ目の疲労はげしく(老眼進行中(笑))、例のシンさんのThe Code Bookを半ページくらい読むとばたりと眠る。これじゃ本を買う気もおきないわけだ。会社の昼休みもつとめて本を読むようにしているが、このときはXML系の入門書を読む。

りぶる・りべろにて、E.M.フォースター『天使も踏むを恐れるところ、ハワーズ・エンド』(新集世界の文学、中央公論社、500円)。これはモシキさんの読書日記の影響による。

4月3日(水) 晴れ

川喜田八潮『<日常性>のゆくえ』(JICC、500円)@りぶる・りべろ。氏のデビュー作。ラピュタ・ナウシカ、そしてトトロなどの宮崎駿のアニメ世界を読む試み。

4月4日(木) 晴れ

風の強い朝だ。起きた時分には雲で覆われていた空が今見ると雲ひとつない快晴になっている。上空はもっともっと強い風が吹いているのだろう。

仕事で新宿に直行した昨朝、大江戸線の車中で木山捷平『山ぐみ』を読んだ。貧しいくらしのなかでちいさい息子が父を思いやる気持ちと、主人公の中年の鬱屈がこころに沁みて、目頭があつくなった。この短編は、戦争中期にひとり息子を田舎に疎開させた体験が元になっている。みさを夫人の手になる巻末の年譜をみると、先日立野町でみた旧宅の世帯主は、この短編に登場する木山捷平の長男であった。ささやかな発見がうれしかった。

4月5日(金) 晴れ 書物の将来

●このところ、仕事の関係でAdobeのeBookに注目している。いつの間にか、日本のアマゾンにもeBookのカテゴリーができていた。古典文学のいくつかがサンプルとしていくつか無料で公開されているので、ためしにDaisy Miller をダウンロードしてみた。もちろん学術用途のデジタルアーカイヴは従来よりテクストやHTMLで公開されているので、特別に新しいことではないのだが、よくよく考えてみれば、著作権の切れた書物がこのようにデジタルで無償公開されることが一般的になれば、古典は電子書籍で読むということが一般的になって、古色蒼然とした分厚い本のぺーじをめくる愉しみはほんの一握りの人間の高雅な趣味と化す時代がそうそうにくるのかもしれない。そういえば、『アンドロイドは電気羊の夢をみるか?』では、ペットといってもロボット犬やロボット猫といったロボットを愛玩するのが普通になった近未来が書かれていたっけ。

●わたしはもちろん、旧来の書物を愛するひとりであって、電子書籍をすすんで購入したり読んだりするつもりは今のところないのだけど、電子書籍のほうが便利だなと思うこともある。例えば、原書の場合、電子辞書(それもワンクリックで引けるものがいい)が自由自在につかいこなせるのは電子書籍の圧倒的な便利さだ。検索だって自由にできるし、必要があればコピー&ペーストして引用やテキスト収集も簡単にできる。肝心の値段だって、紙の本の定価の半額で買えるとなれば、それはそれでうれしいし、先に書いたようにほとんどの古典が無償で公開されているのであれば、信頼性の高いサイトのアーカイヴにすべてを託すことができ、わざわざ狭い住居に読みもしない本を何十年もツンドクのままにしておく必要もなくなる。

●目下のところ、考え得る贅沢としては、紙の本と電子の本の2冊を購入し、両方を駆使しながら原書を読んでゆくというスタイルがある。シンさんのThe Code BookをeBookで探してみたが、いまだでてないようだけど、こうした<読書>に慣れれば、それはそれで新しい読書のスタイルといっていいのではないか。

●もうひとつ、電子書籍には未来がある。それは、動画・音楽(音声)といったマルチメディアとの融合、そしてインタラクティブな書物という可能性である。もしインタラクティブな書物が一般的になれば、読者は書物の内と外を自在に行き交い、作者と交流し、他の読者と交流し、学び、教え、共感し、反発し、それらがそのまま書物に織り込まれ、物語を変え、世界を塗り替えてゆくだろう・・・・

●・・・てなような夢想は、別に真新しいことではない。インタラクティブな書物の構想などとうの昔からあるし、第一ホームページやメールをつかったネット書友のみなさまとの交流は、リアルであったりヴァーチャルであったり、インタラクティブそのものである。 ただ、一般の書物とくに実用書・参考書の類は、相変わらず、いっさいの外部との交流を絶った、孤島にすぎない。ここに学参不況を脱するひとつの鍵があるように思う。

ポール・ホフマン『放浪の天才数学者エルデシュ』(草思社、700円)@藤井書店。アマゾンで、 E.B. White "The Elements of Style"¥943、木山捷平『下駄にふる雨・月桂樹・赤い靴下』(講談社文芸文庫、951円)、"Listen & Enjoy French Poetry" (カセット版、1550円)を注文。

4月6日(土) 晴れ

昨晩は神田にてK夫妻・Kさん・Hさんと私夫婦、都合6人で会食。

末木文美士『日本仏教史』(新潮文庫、100円)、横川和夫『仮面の家』(新潮OH!文庫、100円)。Kさんから吉田健一『英国の近代文学』(岩波文庫)、C・クライトン『ナチスを売った男』(知恵の森文庫)をいただいた。

4月7日(日) 曇り

石神井公園北口に悲願15年やっと完成したピアレス&ザ・シティに、八重洲ブックセンターが開店した。これまた悲願のブランド書店である。まあ大型といってもこの界隈においては、くらいの規模であるけど。講談社文芸文庫が約70冊ほど並べてある、といえば推察していただけようか。店内はさすがに上品である。東京人のバックナンバーが平積みになっていて目をひいた。

●横川和夫『仮面の家』、秀逸。家族論へのてがかりとして引き続き、精神科医の斉藤学『家族依存症』(新潮文庫、100円)、『「家族」はこわい』(新潮文庫、200円)をみつけて読書中。少年時代の記憶の古層にしまいこまれた記憶が甦る。デフォー『ロビンソン・クルーソー』(上・下)(岩波文庫、各100円)@BOOK OFF。『ことばの花束』(岩波文庫、 100円)。

4月8日(月) 曇り

昨日午後は、長男と吉祥寺。プラモ屋。帰路、善福寺池で一服。葉桜のしたで茶を飲む。上石神井硯文堂にてフォースター『フォースター評論集』(岩波文庫、330円)他。ここの岩波文庫コレクションはずいぶん渋くなってきた。アミエルの日記揃い1800円、ルイ十四世とその時代揃い、ジルブラース物語揃い、などに目がいった。

4月9日(火) 曇り

昨日、AdobeのeBookのソリューションを目指して、Est社と会う。明晰な説明に感心。一方、心理テストの研究をしようとおもいたち、松原 達哉『心理テスト法入門―基礎知識と技法習得のために』(日本文化科学社、4,500円)を注文。こんな本。ここからなにかを産み出すことができるだろうか?わからない。

4月12日(金) 

牛島信明編訳『セルバンテス短編集』(岩波文庫、500円)@りぶる・りべろ。「名ばかり聞こえてほとんど読まれることのない、しかし、間違いなく読まれるに値するセルバンテス」(訳者あとがきより)ヨーロッパ近代小説の嚆矢。ああしかし、読むひまなし。

4月14日(日) 晴れ

"Listen & Enjoy French Poetry" (カセット版、1550円)がAmazonから届いた。朗読を吹き込んだカセットテープがついたフランス詩のアンソロジー。収められているのは、ヴィヨンからイヴ・ボンヌフォアまで、30の詩人の代表作。原詩と英訳が対になった本もついている。この手の本が長年ずっとほしいと思っていたので、とてもうれしい。ネット配信のeBookの方向性としては、このような音声/動画をもりこんだ本が登場してほしいのだが、あまりみかけないようだ。自分でもサンプルをちょっと作ってみた。タイタニック朗読 (Real Playerが必要です)

4月18日(木) 曇り

天才技術者の栄光と挫折、といったようなことをぼんやり考えている。ひとつには、先日のNHKプロジェクトXで観た富士通・故池田敏雄のことがあった。田原総一朗『日本コンピュータの黎明 〜富士通・池田敏雄の生と死〜 』(文春文庫)を近くの本屋やBookOffで探したが、みつからない。ところが古書データベース源氏であっさりみつかったので注文しておいた。220円+送料300円。

4月20日(土) 曇り PC三昧

●深夜勤務のあとの疲れもあって、今日はぼんやりと自宅周辺で過ごした。このところ自宅に届くものが多い。まずは、Dellの4400。WindowsXP(Home)、Pentium4の1.6GHz,256MBメモリ,80GBのHDD,コンボドライブ(CD-RW+DVD-ROM),NVIDIA GeForce2MX 64MBという、まあまあ濃いPCである(でしょ?)。予算がないので、OfficeXPはバンドルせず(いずれExcelぐらいは買おう)液晶ディスプレイも見送った。ただ、このところ仕事柄動画の記録にも興味があるので、いずれTVチューナつきのボードやらDVD-R系のドライブを積んで、動画の研究でもしようと思っている。

●やっぱり最新のPCは速いよ。OSも洗練されていて起動が早い、XPはルック&フィールがずいぶん変わったようにみえるけど、GUIインターフェースそのものは95の時代とそんなに変わってはいないよね。GUIインターフェースについては、わたしはMacOSの信者であるので、いくつかのショートカットしか置いてないXPのデスクトップを眺めると、このデスクトップっていったいなんのためにあるの?っていう気にもなる。(いうまでもないが、そもそもデスクトップとは物理的なデヴァイスから独立した仮想の作業環境であって、MOやらFDやらのリムーヴァブルなメディアをマウントしたり、そこからファイルを仮想的に置いたりする空間だった)。まあしかし、なにしろXPは起動が速い、あっという間に立ち上がってくれるのはとてもエレガントだ。マルチユーザーの仕様については当方まだ疎いのでどの程度かよくわからないが、それでも家庭で息子2人と共有せざるをえないとうちゃんにとっては、あれこれ環境をいじられないですむので、けっこう助かる。(なにしろ、仕事から遅く帰ってきてPCを立ち上げると、突然、壁紙でダンシング・ベイビイがくねくね踊っていたりするようなことは当たり前なので)

●それにしても驚いたのは、このDellの4400というマシン、えらく静粛なマシンなのである。フルサイズの筺体のPC=業務用、スペック&拡張性優先、というイメージがあるので(ちがうかもしれないが)、放熱のためにファンががらがら回るのは当たり前、静粛性なんてあんた、素人ぽい注文つけないでよ、なんて怒られそうな常識?があったような気がするが、ほんとこのマシンは静かである。ファンの回転も、ドライブの回転も、HDDのがりがりがりって音も、えらく静かでびっくりした。こうして深夜、キーボードをたたいていても、全然気にならない。わたしは夜更けPCを使うことが多いし、いずれはLinuxでWebサーバも運用したいと思っているが、PCと一緒に同じ部屋で寝起きするのに、PCの騒音はたいへんなボトルネックだった。まあもちろん、いくら静かだからといって、このDellマシンを常時つけっぱなしにするつもりはないが、なにはともあれこの静けさはうれしい。

●この静粛性だが、会社のPCオタクE氏の説によると、かえってフルサイズの筺体のほうが熱の放散効率がよいのでファンをがらがらまわさなくともいいのだそうだ。そういえば、この4400というマシン、筺体の前面下部に、USB端子がきていて、それを覆うふたをパカパカあけるようなつくりになっている。あまりこの種のよけいなデザインは好きではないのだが、よくみると(というかよくみなくとも)この前面のふたは、そこに空けられたいくつかの放熱口をさりげなく隠すようになっている。どうも空気はここから入って、筐体の前面下部から背面上部まで斜めに自然に排出されているみたいだ。まあこんなことはいまどき当たり前かもしれないが、久しぶりに新しいPCを買ったので驚いているところ。

●というわけで、いまやわたしの机の上には、3台のPCがところ狭しと鎮座している。到着したばかりのDell 4400が目の前で睥睨している。なのに予算がなくて液晶ディスプレイを買えなかったので、ディスプレイは、机右の中古で買ったDell OptiPlex GXa(Red Hat Linux7.2でWebサーバの研究中)のうえにおいた17インチディスプレイを拝借している(笑)。いっぽう机の左には、日本撤退したGatewayの一体型PCがこれまたちょこんと鎮座している。いやはや、足の踏み場じゃなかった本を広げるスペースもない。ちなみに、同じ部屋に、IBMのPentium166MHzマシン(これまたでかい)と往年のマック一体型マシン(1993年つまりWindows3.1のでた年のベストセラーLC520)が置いてある。どれも完動するものだから、廃棄するのは忍びない。先日職場のSさんにあげましょうか?って提案したが、いらない由。狭いマンションで子沢山ならぬPC(それも古い)沢山で、ほんと困ってます。(ついでに書くと、Mac PowerBook 550cを職場において使ってるので、所有マシンは6台)

●と書いてくると、ずいぶんPCに詳しそうだが、そんなことはないです。今朝もGatewayのデータをDellに移そうとして、XPのネットワーク設定をいろいろといじくったのですが、どうしてもファイル共有ができない。悪戦苦闘してあきらめたが、夕方ふと思うに、HDDのフォーマットが異なるせいじゃなかろうか?(XPはNTFS) まあ、その程度のことで苦戦してました。ちなみにホームページのファイル群を移そうとしていったん断念したので、いま書いているこのページをふくめて、全データ50MBくらいは、WAKWAKのサーバからFTPでgetしました(苦笑)

※日曜記:Norton Personal Firewall が邪魔してました。

●このほか、渋茶庵さんからご恵送いただいたBOOKISH創刊号と『心理テスト法入門』がぞくぞくと届いてとてもうれしかったのだが、この話題は明日書きます。

岩波講座ソフトウェア科学14 長尾真『知識と推論』(岩波書店、100円)、樋口禎一ほか『現代数学の基礎』(牧野書店、100円)@BookOff。安かったので。

4月21日(日) 雨 Bookish創刊号

●渋茶庵さんからお送りいただいたBookish創刊号をやっと読む時間ができた。お送りいただいた渋茶庵さんをはじめ、モシキさん・やっきさん・かねたくさんと、近年ネット上でお世話になっている方々が編集に参画されたり寄稿されたりしている。創刊号の特集は稲垣足穂で、約30年のつきあいになる私の最も敬愛する作家のひとりとあって、創刊準備のころからとても楽しみにしていた。その足穂特集では、筑摩書房版全集を編集した萩原幸子氏の「足穂全集を編集して」、編集長鵜戸口氏による本木村書店主・無量光寺訪問記、「ヰタ・マキニカリス」を献じたO夫人への手紙発見などが興味ふかい。また、わたしにとっては縁遠い明石・神戸・大阪・京都のタルホゆかりの地をていねいに追った写真つきの小特集「タルホ足跡散歩」は労作で、従来の足穂特集になかった新企画である。また、軽美伊乃氏の「再発見される足穂-新感覚派時代」は初期タルホのいまだ謎めいた部分に迫って興趣ふかい。

●ただ、広大な世界文学のなかでタルホをタルホたらしめている、宇宙論・物理学・数学・実存哲学・カトリシズム・仏教哲学などについて言及がなかったのは少しさびしい。「宇宙論入門」などでうかがえるタルホの天文学への造詣は、当時の最新の学問的成果を反映したもので、数式こそ登場しないが、世間によくある手合いのいわゆる宇宙好きのエッセイなどでは断じてない。その香気は、本家ポオを凌駕するものと思われるが、いかんせん当方もつっこんだ考究ができないままになっている。
版元ビレッジプレスのホームページ

4月24日(水) 晴れ

21日が尾崎豊の没後十年だったのだろうか、NHK BSで特集を組んでいた。ふだんあまりTVを観ないので、気づいたときにはもう番組の半ばを過ぎるころだった。まあ、しかし絶唱街角の風景、Forget-me-not、シェリーを聴けて満足だった。まるで嗚咽しているかのように歌う、シェリー。

4月27日(土) 晴れ

最近なにをしてもつまらない。技術的に難しい仕事の段取りを考えるときに僅かに快感を覚えるだけだ。 映画がつまらない。Swordfish、冒頭の爆発シーン不快で中止。昨日からレンタル開始のプロジェクトX、第1話富士山頂レーダー編も家族に不興で中止。そもそも、なぜ、主人公はいつも、息子や孫に誇れる<男>の一生の仕事をしたい<男>、なのか?性差別だな、この文脈は。スニーカーズ、ロバートレッドフォード主演、はまずまずだが特に語るほどのこともない。先日のプロジェクトXを観て不覚にも涙を零した富士通の天才・池田敏雄に関するノンフィクションby田原総一朗が届いたので、早速一読。しかしつまらぬ。所詮田原には理系天才は理解できぬもよう。いつもの田原節に辟易したが、池田敏雄を偲んでざっと読了した。「すべては感動からはじまる。感動したら無条件に取り組むべきだ」(池田語録より)、この言葉を肝に銘じて生きようと思ってみた。もっとも、この本は労作には違いない。日本におけるコンピュータ創世の事情がよくわかる。

4月28日(日) 晴れ

連休といってもとりたてていつもの週末と変わらない。TSUTAYA、PC Depot、石神井の古本屋、駅前のBOOK OFF。
吉田健一『三文紳士』(講談社文芸文庫)を草思堂にて、350円。これはよい本だな。巻末の池内紀氏の「人と作品」、年譜・著作目録でようやく吉田健一の全貌を知る。さまざまなテーマのエッセイのうち、最初の3つを読んだところ。
昨日見終わらぬままに返却してしまっプロジェクトXのビデオに登場していた、 藤原寛人さん(当時、気象庁観測部補佐官)ってやっぱり新田次郎だんたんだね。いやそうに違いないと思ったのだけど、司会者のアナウンサーがなにもコメントしないので、気になりながらもビデオを返してしまった。ちゃんと観ておけばよかった。
シンさんの"The Code Book"、やっとこさ244頁までたどりついた。あと100頁たらず。半年もかかって250頁ということは一日2頁たらずということか。遅々たる読書だな、ほんと。暗号の歴史について書かれた本のなかでこんなに面白い本は少ないんじゃないかしら。ドイツの暗号機械エニグマの解読に貢献した天才Turingの栄光と悲劇、ロゼッタストーン解読、線文字Bの解読・・・。昨日やっと第6章"Alice and Bob go public"に入った。今後の章はいよいよ現代の暗号理論に突入だ。本の情報はこちら(アマゾン)。著者のHP

 

 

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